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スペインの科学運用センターで全銀河データの初期処理に貢献する InterSystems Caché

天文学史上最大規模のデータ処理への挑戦とみなされているガイア計画が、かつてないほど詳細な星表 (天体カタログ) を作成しました。これは、300 億件以上の観測結果に基づき、ほぼ 17 億個もの星と、これまで観測したことのない詳細な銀河の構造を高精度で測定して作られています。

昨年 4 月、欧州宇宙機関 (ESA) は、現在発表されているものの中で最大規模となるカタログを発表しました。2014 年 7 月から 2016 年 5 月までの、衛星による観測結果を反映したカタログです。データには、恒星の位置、距離指標、動きのほかに、我が太陽系内の小惑星や、銀河系外の星の高精度測定結果などが含まれています。

ESA は、ガイア衛星によって収集されたこれらの観測結果について、天文学の基礎の見直しを迫るものだとしています。ほぼ 30 年前に約 118,000 個の星を調べた ESA のヒッパルコス衛星による最初の宇宙ミッションに比べれば、今回の結果は大いなる飛躍と言えます。

ガイア カタログは、いわゆる「オープン サイエンス」ミッションであり、希望すれば誰でもそのデータにアクセスできます。ESA は、このミッションが終了する 2024 年までに 1 ペタバイトを超える情報が蓄積されると見積もっています。これらの膨大なデータは、すべてスペインのビリャヌエバ デ ラ カニャーダ (マドリード) にある欧州宇宙天文学センター (ESAC) によって提供、保管され、科学コミュニティ全体に公開されます。

データの高速な解凍

ガイア衛星からのデータは、まず ESAC に送信されます。ESAC にある本ミッションの科学運用センターが、衛星に搭載された望遠鏡からの科学データやその他の補助データを含む遠隔測定データを受信します。データは、スペインのセブレーロス地上局のほか、オーストラリアのニューノシア局、アルゼンチンのマラグエ局にあるアンテナでも収集されます。

スペインのセンターでは、毎日平均 40 Gb のデータを受信しますが、この値はガイア衛星が走査する銀河の領域によって変動します。天の川の中心を観測する場合は、データの総量が 70 ~ 80 Gb に達します。

遠隔測定データは受信後、圧縮解除され InterSystems Caché に取り込まれます。インターシステムズの技術は、ソフトウェア システムを機能させるためのデータベースとしてミッションに貢献しています。このソフトウェア システムは、観測データや衛星に搭載された科学機器の状態を示すデータの前処理や検証に加え、画像の初期処理と調整を行います。こうした処理は 24 時間以内に完了する必要があり、バックエンド システムの InterSystems Caché が最も重要な役割を果たしています。そのための鍵となるのが、InterSystems Caché の高速な処理と約 40 テラバイトものデータにアクセスする能力です。すべての計算結果を得るには、平均してこれだけの量の保存データが必要なのです。インターシステムズのデータベースは、信頼性と性能の高さから、今回のような複雑な処理手順の実行システムに選ばれました。

このデータベースにより、スペインの科学者は、衛星に搭載された計器の状態を正確に判断し、高品質の科学データにもアクセスできます。データは、このあと DPAC (Data Processing and Analysis Consortium) に加盟する別のセンターに送られます。DPAC はデータ処理を担当するチームであり、ヨーロッパ各国の科学研究機関、大学、研究センター、天文台が名を連ねます。

欧州宇宙機関

欧州宇宙機関は、ヨーロッパ大陸の開かれた宇宙への玄関口です。ヨーロッパの宇宙技術開発の方向付けを行い、宇宙関連活動への投資からヨーロッパ市民の利益を継続的に確保することを目的としています。

ESA は 22 の加盟国によって構成されます。加盟国の経済的および知的リソースの結集により、ヨーロッパのどの国であれ単独では開発できないスケールの計画や活動を実現しています。

ESA のミッションは、ヨーロッパの宇宙計画を策定し、実行することです。同機関の計画は、地球とそれを取り巻く宇宙環境、太陽系、宇宙に関する知識を深めるとともに、衛星を用いる技術やサービスを開発し、ヨーロッパの産業を振興することを目指しています。

ESA の加盟国

ESA には、ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、スペイン、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、ノルウェイ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、英国、チェコ、ルーマニア、スウェーデン、スイスが加盟しています。カナダは、協力協定に基づいて一部の計画に参加しています。ブルガリア、スロバキア、スロベニア、ラトビア、リトアニアは「欧州協力国」です。その他の国々も、ESA と協力協定を結んでいます。

インターシステムズについて

インターシステムズは、世界で最も大切なアプリケーションを支えるエンジンを提供しています。人々の生命や暮らしにかかわる医療、金融、官公庁、その他の分野で、大切なことを支援する力となっています。インターシステムズは、1978 年に設立され、米国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く、世界中に拠点をもつ株式非公開企業です。その製品は世界 80 ヶ国以上の数百万ユーザによって、日々利用されています。

高速な処理速度と約 40 テラバイトものデータにアクセスする能力を備えたバックエンド システム INTERSYSTEMS CACHÉ は今回のミッションにとって最も重要な役割を果たしています。

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