
医療業界における深刻な課題
医療DXの推進が叫ばれていますが、その背景には以下のような医療業界・現場がかかえる深刻な課題があります。
・医療従事者の人手不足と長時間労働
少子高齢社会によりさまざまな業界で人材不足が発生していますが、医療業界も深刻です。医師や看護・介護のような専門資格所有者、医療事務など医療関連業務や病院運営にかかわるスタッフともに人材が不足しており、長時間労働を強いられるケースが頻発しています。一方、感染症拡大や高齢社会に伴い患者数は増加する一方であり、長時間労働に伴う医療従事者の判断ミスや医療事故、医療崩壊の危険性が高まる一方です。
・医療の地域間格差
先述した医療従事者の人材不足や診療報酬の関係で、住民数の少ない地域では特に医療機関不足・適切な医療サービスが受けられない医療の地域間格差問題も発生しています。
オンライン診療や地域連携での医療格差是正も図られつつありますが、都市部へ集中する医療従事者の地方誘致や医療効率化による業務負担軽減も、医療サービスの地域間格差是正に有効と考えられます。
・小規模医療機関の経営難
病院の経営の問題は深刻です。医業利益における赤字病院の割合は、2021年度65.8%から2022年度には72.8%に増加しています。特に小規模医療機関では地域人口減少が患者数減少に直結し、経営難を引き起こすまでとなっております。物価高による経費や設備費の増大、人件費の増大、医療報酬改正による報酬の厳格化や縮小化も主な原因ですが、IT活用、デジタル化による効率化、コスト削減、サービスの向上による患者の維持・増加を図ることが求められています。
・医療DXの遅延
こうした医療従事者不足や地域間格差・医院経営問題に対し、デジタル技術を活用し業務の効率化・省人化を推進する動きは従来から着目されていました。一方、患者にまつわる電子カルテや検査データが複数システム内にサイロ化されており院内でもデータの統合や利用ができず、医療機関や医療事務業務のDX推進は遅れているのが現状です。データのサイロ化は、地域医療連携の遅延の要因とも言えます。
昨今は画像診断や検査データを基にした病気の予測などへのAI活用の研究が進んでいますが、AIが学習しやすいようデータが構造化されておらず、ここが大きな問題となっています。
医療DXとは
医療DXとは、医療分野におけるデジタル技術を活用して、社会や生活を変革することで、政府は、医療現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、以下のように定義し「医療DX推進本部」を設置し、医療DXの施策に取り組んでいます。
医療 DX とは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータに関し、全体最適された基盤を構築し、活用することを通じて、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えていくことです。
その目指すところは「国民の更なる健康増進」「切れ目なく質の高い医療等の提供」「医療機関等の業務効率化」「人材の有効活用」「医療情報利活用の環境整備」として、具体的な施策として、以下を挙げています。
- 全国医療情報プラットフォーム
- 電子カルテ情報の標準化等
- 診療報酬改定
医療DX推進の妨げ、医療データのサイロ化
患者の医療データや情報は複数のシステムに分散して存在しています。1人の患者のデータは、さらに複数の病院等の医療機関、調剤薬局、介護施設、行政など、関係する多くの組織の中に存在します。
継続した適切な医療提供には、複数の関連施設・組織が連携して関わる必要がありますが、組織内および組織外には、電子カルテをはじめ多くの異なるシステム・医療機器が存在し、そのシームレスな統合・連携が必要です。しかし、多くの場合はそれらが分断されており、これが二重入力や重複検査、また医療従事者の負担増や、非効率なワークフローの原因となり、医療の安全や患者サービス・カスタマエクスペリエンスの悪化を引き起こしています。
さらに、データが利用できないことで、正確な経営分析や、臨床研究なども困難になっています。
すべての医療・健康データにアクセス・利用できないことで、以下のようなさまざまな課題が生じます。
- 患者の医療・健康に関する情報の欠如により、最適な治療・診断や処方が行えない
- 医療従事者への労力負担が増大
- 不要な検査や処置が行われる
- 臨床研究に必要なデータが入手できず、研究が進まない
- 適正な経営分析が難しい
- 医療情報を共有できない
- 医療事務業務を効率化できない
医療DX推進のカギ
データ連携・利用・分析のための
医療データプラットフォーム
それらすべてを横断して利用するには、データ連携・活用・分析に特化した
医療連携プラットフォームを構築するのが最もシンプルでスピーディーな方法です。
医療向けの連携プラットフォームは、以下のような要件を満たす必要があります。




医療DX推進によって、
以下のことが可能になります。
- 業務効率化とワークフロー改善
- 医療従事者の負担を軽減
- 医療安全、医療の質、患者サービスの向上
- AI、機械学習により臨床現場をサポート
- 高度な経営分析による経営指標の改善
- 病院の経営環境の変化とニーズへの迅速な対応
- 将来にわたるシステム連携コストの低減
- 地域拠点の病院や地域完結型医療連携・医療データの利活用が可能
- 病院完結型医療から地域完結型医療制度への移行が可能
医療DX推進の課題を、
ぜひお聞かせください。
医療DX関連
ブース講演・ランチョンセミナー動画
お役立ち資料

InterSystems IRIS for Health





導入企業様















インターシステムズジャパン株式会社
信頼できるテクノロジパートナー
インターシステムズの全社員は、お客様の成功を情熱をもって支援しています。
世界中で数百万のユーザを支援する数千の顧客を有しており、1978年設立以来、株式非上場のプライベート企業として、顧客の成功にだけ注力しています。ワールドクラスの技術とワールドクラスのサポートを提供することに誇りをもっています。インターシステムズのワールドワイドレスポンスセンター(WRC)は、世界中に拠点をもち、インターシステムズの全製品について365日サポートを行っています。