「(AIによって)人々の暮らしの全てが変わるでしょう。私たちの文明の歴史の中で、これは、最大の出来事となる可能性を秘めています」(ステファン・ホーキング)
あらゆる業界で人工知能(AI)による大きな侵略が起きていることを、私たちは既に見てきています。AIは急速に普及していますが、AI技術そのものは、まだ発展途上です。AI は、産業革命以来、機械が担ってきた物理的な仕事のみならず、計画、戦略立案、優先順位、意思決定などの「考える」仕事の未来に向けられています。
実際、AIは何かという定義は変化し続けています。ほんの数年前にAIと呼ばれたものは、今や広く使われる知られた技術に過ぎず、AIという定義の下には存在しないものもあります。AIとは、技術が進化し適用されていくにつれ、その定義と範囲が変わるという技術フィールドに過ぎないのかもしれません。
AIは、既に、感じ、考え、行動することができます。AI は、自然言語処理、言語認識、マシンビジョンによって、聞くこと、見ること、話す事ができます。機械学習、深層学習、計画とスケジュール機能によって、理解し、認知し、支援することができます。さらに AI は、RPA、機械翻訳、適応システムによって、物理的、認識的、創造的な方法で、行動することが可能です。AIは私たちが日々使うアプリケーションに組み込まれていき、こうした多くの高度な能力を、恐らく私たちが知らずに、日々使っているのです。
私たちにとって、AIの最も魅力的なところは、人々をスーパーマンにし、同時に、人以上に私たちを支援することです。未来は、「人対AI」ではなく、むしろ「人+AI」であると思います。
2018年の主な動向
昨年の10月に開催された InterSystems Global Summit で、参加者は AI についての今の概況、現在そして将来の展望について学びました。インターシステムズの初めての AI シンポジウムでの素晴らしい基調講演で、スクリーンに示された今日の一連のアプリケーションは、大きな衝撃でした。その一部を、ここに示します。
アフェクティブ・コンピューティング
ロザリンド・ピカード博士が、発作の予兆として、ストレスなどのいくつかの現象発見を導いた、感動的なお話を披露されました。MIT Media Lab の Affective Computing の創始者でリサーチグループのディレクタであるピカード博士は、「アフェクティブ・コンピューティング」という用語を作りました。時に、Artificial Emotional Intelligence(人口感情知能)あるいは、Emotion AI(感情認識AI)とも呼ばれます。この研究は、人の感情、人の経験の基本を認識、翻訳、処理、シミュレーションができるデバイス、システムなど、多分野にわたるものです。進化するこの技術によって、私たちは、健康、学習、記憶、行動、社交に影響のある感情のあり方をよりよく理解することが可能になります。会話、理解、感情に対する対処の新しい方法を使って、私たちは健康を増進することができます。( ロザリンド・ピカートとアフェクティブ・コンピューティングについて、是非お読みください)
AI-創造力を拡張
さらに、ジル・ウェインバーグ博士は、人の創造性に AI を適用したデモを見せてくれました。彼の基調講演で、ジャズを演奏するロボット「シモン」が披露されました。これは、新しい創造性の形を前進させるアルゴリズムと人工思考を使ったものです。シモンと即興ロボットミュージシャンと共に、ウェインバーグ博士は世界中を旅して、多くのコンサート、フェスティバル、SIGGRAPH、 DLD 、ダボス世界経済フォーラムなどのカンファレンスで、この技術を紹介しています。ジルの最新の発明は、リスナーの音楽経験を拡張するように設計されたスマートフォンで使える AI ロボット・ミュージカル・コンパニオンです。( ジル・ウェインバーグ博士とロボットと人の協業については、こちらをお読みください)
AIの本質の変化
Siri を発明したババク・ホジャット博士は、私たちを数年、数世紀に渡る素晴らしい AI の旅に連れて行ってくれました。彼は、かつて AI とよばれ、今ではよく使われるツールとなった技術の進化を教えてくれました。私たちが使うツールは、私たちを人間と定義し、世界を変えることができるものです。」とホジャット博士は述べました。彼は、人工的人間の夜明けなど、感銘的で多くの創造力をかきたてられるAIの次に来るものを紹介されました。また、機械学習による感情認識など、この日に議論されたテーマについて言及しました。「感情は人間の記憶の基盤で、記憶は過去についてのものではなく、将来についてのものなのです。」( ババク・ホジャット博士とAIの本質の変化については、こちらをお読みください)
2019年 人工知能の展望
AIアプリケーションの推進は2019年も続きます。今年注目すべきトレンドは、以下の通りです。
オープンソースAI
他の業界でも見られるように、オープンソースは、協業、革新を促進させ、開発コストの低減と市場投入時間を短縮します。
サイバーセキュリティの強化
サイバー攻撃の数と複雑さは増大し、それに対処するインテリジェントシステムも増加します。
AIのヒューマナイズ
AIアプリケーションの信頼を高めるためにAIのヒューマナイズ(人間化)は、続くでしょう。AI技術がよりユビキタスになると、それに対する人の安心感とAIへの信頼はより重要になります。
言語処理の改善
言語の影響は、自然言語処理開発とともに拡大され、より個別化が進みます。
生産性の増加
タスクおよびプロセスを自動化するAIの適用により、生産性が高まり別の利点を生みます― あらゆる規模のビジネスだけではなく、米国およびグローバル全体の経済に影響します。
AIは不可欠な技術
AI は、広範なアプリケーションと能力をカバーします。既に、あらゆる主要な業界に大きな影響を与えており、今日のコンピュータのように、私たちの基盤となるはずです。AI の主要な要素は、引き続き、家庭から病院、携帯電話から運転する車まで、私たちの日々の暮らしの中の数えられない分野に組み込まれていくでしょう。AIの究極的な成功は、ハリウッドやシリコンバレーの宣伝から人の暮らしの実用的な基盤にまで透過的で見えないように浸透していくかによって決まります。
インターシステムズ #GlobalSummit18のソシアルメディアハイライトは、Artificial Intelligence in Action Twitter Momentをご覧ください。
AI 2019 ハイライトと予測については、 LinkedInの記事をご覧ください。
筆者について
エバン・クリステル
国際的に著名なソートリーダ、トップテクノロジインフルエンサであり、B2Bマーケター。40万人以上のソシアルメディアフォロワーと数百万人に対する有機的な繋がりをもつ。モバイル、ブロックチェーン、クラウド、5G、ヘルステック、IoT、AI,デジタルヘルス、crypto、AR、VR、ビッグデータ、分析、サイバーセキュリティなどの分野のソシアルメディアを横断してブランドの最大の露出と拡大を支援。Brand24から最もエンゲージしている デジタルマーケター4位に選ばれている。
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イルマ・ラステガヤヴァ
医療、技術、人間性、語りを横断したコンサルタントであり、コーチでもある。製品開発、コンサルティング、マネジメントでの20年以上のキャリアを経て、技術における深い専門性と、eViRa.Healthにおける患者サポート、コミュニティエンゲージメントの経験を併せ持つ。技術における トップ30の女性にも選ばれ、デジタルヘルス、ヘルステック、ITにおけるトップインフルエンサーとして知られる。 アメリカンカレッジ・オブ・ヘルスケアとラスティーズの役員を務める。
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