先週、IDCのアナリスト Carl Olofson と、Webセミナーを開催し、データの遅延がビジネスに与えるコストに関し、ITプロフェッショナルを対象に、インターシステムズが依頼した調査結果について、議論しました。その調査によると、圧倒的多数の企業が(75%)時機を逸したデータによってビジネス機会を喪失していると考えていることが明らかになりました(調査結果については、 前回のブログをご覧ください)
チャレンジ
IDCが行ったこの調査によると、データ遅延は、企業がELT( Extract:抽出、Transfer:変換、Load:ロード)やCDC(Change Data Capture, リアルタイムデータレプリケーション技術)を行う際に発生していることが分かりました。こうした技術が、リアルタイムデータ分析を遅延させ、結果として効率を下げていると言うことができます。事実、この調査の回答者の27%が、データの遅延が生産性や俊敏性にマイナスの影響を与えると答え、また、25%は、分析を行う能力にマイナスのインパクトがあると報告しています。
ETLやCDCに存在する課題をよくみてみると、ETLから分析に移行されるデータの2/3は、分析データベースに入るまでに、少なくとも5日が経過していると、この調査で判明しました。CDCについは、65%のCDCデータは、分析データベースに移行する際に、平均で10分以上の時間がかかっていると、この調査で明らかになりました。ライブデータで意思決定を行う企業にとっては、これは大きな問題です。彼らは、分析クエリをトランザクション上でリアルタイムに同時に行う能力が必要なのです。
ソリューション
多くの組織は、トランザクション処理、そして分析エンジンとインテグレーションのために、それぞれユニークで独立したデータアーキテクチャをもつという問題に直面しています。実際、多くの回答者が、5つ以上のトランザクションデータベースが稼働していると答え、60%以上の回答者は、5つ以上の分析用データベースを保有していると答えています。こうしたことが、ベストプラクティスだと最近まで考えられていましたが、このことは、不必要な複雑さを創出して、TCOの増加を招いています。
この調査ではまた、いろいろな機能をもたせて、トランザクションと分析機能を1つのDBMSソリューションに統合し、統合データベースの運用を行うといった需要が、これまで以上に高かったことを示しています。事実、データとアプリケーションインテグレーションを1つのデータプラットフォームに統合したいというニーズは、さらに高いものでした。
この調査自体で明らかになったのは、37%の回答者が、新しいデータベースを評価しており、90%以上が機能の統合(トランザクション処理、分析、インテグレーション)は、非常に価値があると考えているということです。
結論としては、トランザクション処理と、分析から特定の洞察を得るまでの遅延を解消することが、今日のデータアーキテクチャに求められているということです。私たちは、条件に合わせてトランザクション処理が行えるアプリケーションをどうのように開発するかを再考する必要があります。これは、ある意思決定をコミットする前に、リアルタイムに、その次にベストなアクションを導くことのできる分析を使い、レガシー、SaaSアプリケーション、新しいビジネスプロセス間を横断したワークフローを作り出す必要があることを意味しています。
このWebセミナー “The Data Dilemma: The Challenge of Managing Data in Enterprise IT”(データのジレンマ:エンタープライズITにおけるデータ管理の課題)の録画は、 こちらからご覧いただけます。