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EHRの可能性を完全に引き出すには

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EHR (電子医療記録)の展開において第一線のスタッフを関与させ、患者に害を及ぼさないようにするための3つのヒント

ジョン・ペイン医師は心臓専門医であり、スコットランドでインターシステムズの医師重役を務めています。

eヘルスのコミュニティにおいて EHR の利点は広く認識されており、患者の安全性、医療の接続性、臨床結果を向上させるための重要なツールとしての役割を果たしています。世界中の病院におけるデジタル化推進の取り組みにおいて、EHR は重要な要素となっています。しかし、テクノロジを実装して効率的に使用し、医療の質を高める上で、医療コミュニティの人々を教育していくためにやるべきことはまだ沢山あります。

テクノロジは単に「使いものになる」だけでは駄目で、「価値のあるもの」でなければなりません。それを実現するために、新しい情報の流れによってもたらされる真の利点を第一線の人々に継続的に伝えていく必要があります。EHR が医療コミュニティに提供できる3つのシンプルな利点は、以下の通りです。

 

コミュニケーション

EHR Intelligence が発表した研究によると、ICUでの死亡例の28%で、診断の見落とし、不正確な診断、診断の遅れが1つ以上関係していることが明らかになりました。それらの過誤のうち、6%は致命的であった可能性があるとのことです。つまり、患者の病歴を包括的に提供するテクノロジにアクセスできたとしても、過誤は発生する可能性があります。高品質の医療を提供するためには、EHR プラットフォームの導入だけでは不十分です。医療提供者は、提供される情報を利用して、そのナレッジを患者の治療に適用できるよう、最良の方法を理解する必要があります。こうした過誤を防止してさらに前進するための重要なステップは、データの不正確な伝達がどのように発生するかを理解することです。

全体的に見て、適切に導入された EHR は安全性の柱として機能し、医療の質を高め、患者の安全を守ります。

測定

EHR の意義は、患者がある薬品に対してアレルギーをもっている場合や、特定の処方が有害である可能性がある場合に、電子処方箋を使用して臨床医にそれを通知することだけではありません。

EHR のようなテクノロジは、医療提供者が日々の業務で行っているアプローチや方策の向上にも活用できます。たとえば、臨床研究によって革命的な治療に関する洞察が得られ、そうした洞察は、ある経路を通じて広く行き渡るようになります。その一方で、ITにより、標準化された一貫性のある方法で、業界のベストプラクティスやガイドラインがすぐに適用できます。

EHR は情報へのアクセスを透明化し、臨床診療の向上の度合いを測定する手段となります。たとえば、減量に取り組む際には、その前に体重を量って初期の状態を把握します。同じ原則が医療にも当てはまります。病院において、測定不可能なことを向上させることはできません。

測定に加えて、安全性と向上のために必要となるもう1つの重要な要素として、標準化が挙げられます。標準化されたプロセスはチェックリストとしてその概略を記述することができ、EHR に組み込むことができます。標準化されたプロセスに従っている度合いの測定や、そのプロセスに関連するリスクを測定することで、ベストプラクティスに対する確信や患者の安全性が得られます。

良い例として、中心静脈ライン挿入の標準化が挙げられます。この標準化の結果として、血液感染が劇的に減少したのです。血液感染の発生数を測定できるのと同様に、プロセスの有効性(この場合は標準化された挿入手法に従っているかどうか)を測定することができます。

EHR のアナリティクスを活用することにより、標準の中心静脈ライン挿入の手法に従っているかどうか(および関連する血液感染の被害)について、信頼性の高い、ほぼリアルタイムの測定が可能になります。

データへのアクセスと、情報に基づいたデータの使用によって、病院の継続的な向上が可能になります。たとえば、プロセスに対して計画的な変更を加える場合、その変更が害悪を減らすかどうかを確認するためにテストを実行できます。その変更が害悪を減らすことが判明した場合は、その変更を向上要因として標準プロセスに組み込むことができます。

関与

世界中で EHR の導入は一般的になってきていますが、より良い、安全な医療を提供するために EHR がもつ意義について、スタッフを関与させることを忘れてはいけません。テクノロジは完全に受け入れられることによって最も有意義な結果を生み出すからです。EHR テクノロジには無限の可能性が広がっています。この可能性を現実にするために必要なのは、医療機関のリーダたちにツールを提供することです。

 

ジョン・ペイン医師
顧問心臓病医であるペイン医師は、エディンバラで医師訓練を開始。ロンドンに移り、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンとロイヤル・ブロンプトン病院で5年間の研究生活を送る。その後エディンバラに戻って心臓学の課程を修了し、2010年にグラスゴーで顧問に就任。現在は、ゴールデン・ジュビリー・ナショナル病院を拠点にし、スコットランド国立先進心臓病サービスで NHS の仕事に携わる。

ペイン医師は現在も心臓病の顧問の業務を行い、患者の安全推進に取り組んでいる。2016年に医師重役としてインターシステムズに参加し、、スコットランドの医療専門家がインターシステムズの医療ソリューションを活用して、スコットランドの新しいデジタル医療のテーマに取り組めるよう努めている。

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