先日、当社は、ワシントンDCで行われたメディケア、メディケイドおよびデュアルズのナショナル会議 AHIPで、朝食ラウンドテーブルを開催し、私と同僚も参加致しました。「品質を上げ、アウトカムを改善し、価値を提供するため、臨床データ戦略を再考する」と題したこのラウンドテーブルの目的は、マネージドケア組織(MCO)の人々が、支払いとケアの新しいモデルへシフトするために、臨床データを組織としてどのように活用するのかを議論することでした。
市場と当社の顧客の両方から見えてきたトレンドに基づき、4つのグループ分けをして、以下の議題についてより深く議論をしました。
- 品質評価の拡張と整備、ケアにおけるギャップの解消
- アラートとケアプランの共有による、ケアコーディネーションの改善
- 医師のネットワークのパフォーマンス拡張
- 運用の効率性の向上
各グループは、ヘルスプラン(※ 保険会社など)が診療データを利用して、彼らの顧客、医師ネットワーク、従業員、さらには組織に価値を提供する機会があることを、何度も確認していました。ユースケースとして一番出てきたものは、事前承認の自動化、チャート表示の自動化、薬局のデータから投薬治療をきちんと行っているかの管理、あるいは不正検知などでした。
大変興味深かった分野は、HEDIS (Health Plan Employer Data and Information Set) 評価の自動化プロセスについてです。これは時間と労力のかかるプロセスで、最終的には過去に遡るものになります。私はこれをよく「表追跡」と呼んでいます。さらに、臨床データに基づく新しい品質評価が多数出てきており、ハイブリッドなHEDIS評価測定のために、今こそ、プロセスを改善するこうした一連の成果を利用する時なのではないでしょうか。当社の顧客には、こうした問題解決に取り組み始めたところもあります。
例えば、よく使われる評価に、血圧のコントロールがあります。評価期間中に高血圧診断を受けたかどうかは、請求データをみれば分かります。この点は、保険請求はよくできたところです。しかし、血圧がコントロールされているかを決定するには、以下のマニュアルプロセスの1つが関わってきます。おそらく複数の医療施設を訪問する。そして表を見る。許可を得て表にリモートアクセスする。あるいは、医師に関連する情報をポータルにアップロードあるいはファックスしてもらう。
ヘルスプランが診療データにアクセスでき、リアルタイムで数値を見て測定を伝えることができたら、どうでしょう。ヘルスプランや医師が、評価項目に対してどうなのかといった今の情報を得るだけでなく、上昇している、下がっているなどの傾向に変化が分かれば、彼らは介入することができます。
このように医師のネットワークと連携することは、全ての人に利益となる品質改善を促進します。よいことには、当社の顧客は、HealthShare 連携医療プラットフォームを使って、ネットワーク上で医療機関のデータにアクセスし、こうしたことに既に取り組んでいます。
自動化で進んだ分野としては、医療における事前承認プロセスがあります。医療サービスの承認が必要なときに、医師や病院は、臨床的に関連ある情報を支払者にどのように提供するのでしょう。当社の2つの顧客は、この問題に取り組んでいます。1つは、ソリューションを開発しました。現在は、パイロット段階で、当社の技術を使用して、事前承認プロセスを自動化しています。初期のインディケータでは、これによって医師と支払者の両者で時間の短縮ができると示しています。もう1社では、ADT(入院・退院・転院)のアラートを、認証要求のトリガーにする計画です。ケア管理システムが受け取り、承認認証を生成する仕組みです。
これらのユースケースで共通しているのは、臨床データを利用して、運用の問題を解決している事です。請求データが患者、医師、支払者に即座に価値を加えることができているユースケースは、他にも沢山見られます。
すべてのヘルスプランが、膝を詰めて請求データを活用する戦略を考えるべきだと思います。AHIPセッションに参加して分かったことは、ニーズがあるが、考慮する支援が必要ということです。価値に基づく支払いが出てきいる今が、皆さんの戦略立案を考える時なのだと思います。当社は多くの顧客と協業していますが、彼らは、この価値を理解し始めています。そして、皆さんもそうだと思います。