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2018年を概観:最新の革新が、いかに実証済み標準に依存しているのか

2017年は、医療革新の年でした。この改革の意味するところは1つです。それは、より多くのデータです。事実、昨年生成されたデータは、それ以前全てを合わせたデータよりも多かったと言う方もいます。昨年は、できる限り多くのデータを取得することに注力されていましたが、これからは、データから洞察を描くことに焦点があてられるでしょう。これは、健康情報システムだけでなく、継続した医療を通しての全てのデータからの洞察になります。

このことは、驚き、あるいは驚きでないかもしれませんが、医療施設がいまだに直面する最大の課題は、彼らのもつシステムに既にあるデータへのアクセスです(電子診療記録だけでない)。病院システムによって大量の有用なデータは即座に収集されています。米国の平均的な病院は、80以上のシステムを所有するといわれ、この数字は、それ以上にデータをもつ IoT を含んでいません。これはまた、複数の病院や施設を運営する IDN や診療統合ネットワークなども考慮していません。ネットワークの各病院が、80の IT システムを装備すると、合計数百ものシステムになり、全てが接続されています。全てが接続されているとしても、標準では、2つのシステムをそれぞれ接続する設計になっており、80ではないのです。

こうした組織が、生成される全ての情報へのリアルタイムアクセスと1か所からのアクセスが可能であれば、日々の診療、意思決定支援、行動が可能な分析(ケアでのギャップがあった場合など)における医師への影響は、非常に大きいと言えます。80の異なる情報構造を80の画面で見るかわりに、1つの画面を開いてリアルタイムに情報を確認します。さらに、システム内に既に存在するデータの解放ができれば、接続と意味ある方法での共有がよりよくできるようになります。

私たちの業界では、相互運用性の問題は当然ありますが、情報共有の難しさに対するソリューションは、同じくよく分かっています。HL7® FHIR® (Fast Healthcare Interoperability Resources)についてお話させていただきます。2011年に FHIR の開発が開始され、この2-3年で、FHIR は、組織内のデータアクセスの課題の対応に使われ始めています。この標準によって、組織は、既存のワークフロー内でのデータ使用、医療の質と診療チームの効率の向上が可能になります。FHIRの最初で最も重要な側面は、FAST(早い)ということです。開発者が学習し、インターフェースやモバイルアプリケーションをそれを使って開発する、その両方を早く行えます。FHIR 以前の標準や技術も、FHIR が解決する問題解決は可能でしたが、コスト、リソース、かかる時間という点では難しいもので、さらに、他組織の同じシステムと接続するとき、全ての労力が再び必要となります。このことが、FHIR の採用を早めた1つの理由です。最初の FHIR の採用は2014年でしたが、わずか3年後には、HealthShare の今のバージョンに搭載されています。

FHIR という新しく革新的な導入は、すでに進化し始めています。例えば、モバイル連携医療などがその例です。FHIR を支える技術は新しいものではありませんが、音声起動などのより新しい医療ツールによって拡張しています。音声認識機能と組み合わせて、Alexa を使って現在検証をしているものもあります。FHIR は、確かにアプリケーションをより賢くすると思います。こうしたアプリケーションが聞かれた質問内容が理解できれば、Alexa や Siri(その他も可) などは、診療上、より特化されて価値あるものとなります。例えば、医師が FHIR を通して投薬リストへのアクセスが可能になり、患者の受けている治療について、これまで手動で検索しなければならない事を簡素化できるようになる可能性があります。さらに、音声認識とFHIRを組み合わせて、組織のリソースのスケジュールを行い、予約などの管理タスクを軽減できる可能性があります。こうした事やその他のことで、FHIRは、医療従事者にかかる既存ITシステムの負荷を軽減することが可能になってきています。

FHIR は、患者が生成する在宅での血圧測定から食事記録にいたるあらゆるデータの流れの扉を開いています。しかし、こうしたデータ型から価値を得る鍵は、これを効率的に医療情報システムと統合することです。EHR システムは、患者が生成するデータを統合するために作られてはいないため、こうした情報の有効利用には、患者からのデータをシステムに統合する処理レイヤが必要になるでしょう。FHIRを支える技術は、他の業界でこうした問題を解決しており、同じ事を医療でも開始しています。医療でのこうした処理レイヤの将来は、いまだやや不明確なところはありますが、患者が生成するデータの可能性は膨大です。

さらにご興味がおありでしたら、1月25日12時-1時(セントラル標準時間)に行われる、Healthcare IT News Editor-in-Chief Tom Sullivan (@SullyHIT)との Twitterチャット #EmpowerHIT にご参加ください。そこで、相互運用性の将来と次世代の治療を可能にするその役割について、さらに議論ができれば幸いです。

議題

  • T1: 近い将来、相互運用性に最も影響があり、それを進めるには、どのような相互運用性の課題に注力すべきでしょう。#EmpowerHIT
  • T2: FHIRは、相互運用性における次の大きな事ですが、FHIRについて既に皆さんが取り組んでいるものは何ですか。#EmpowerHIT
  • T3: 医療において、モバイル接続医療の手段として、音声起動(Alexなど)を使用する予定はありますか。#EmpowerHIT
  • T4: 患者が生成するどのようなデータタイプが、診療システムに統合するのに、最も価値があると思われますか。#EmpowerHIT
  • T5: ブロックチェーン技術は、意味論的相互運用の実現努力を、どのように前進させると思いますか。#EmpowerHIT

もしよろしければ、ビデオ、ハンズオン FHIR 体験ラボなどが掲載されている、インターシステムズFHIR リソースページをご覧ください。

HIMSS18 で、ラッセル・レフトウィッチと話がしたい方は、こちらをクリック、あるいは InterSystems.com/HIMSS18 から、ミーティングの調整をお願い致します。

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