- 私は最近、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)の[1]の記事を読みました。それによると、医療業界が価値に基づく支払いへ移行しているにもかかわらず、医療従事者と支払者(健康組合/保険会社)の間の「調整」は終わっていないようです。経営者、臨床リーダー、臨床医を対象として実施されたこの調査では、回答者の4分の3(77%)が、ケア提供における価値の改善に向けて、医療従事者と支払者間での調整は配慮していないと答えています。半数以上(58%)は自分の組織で、調整されていないと感じています。支払者と医療従事者が、業界のレベルでよく連携している、または、とてもよく連携していると答えているのは、回答者のわずか3%でした。この調査によれば、調整が出来ていないことが、医療とサービスの統合を妨げ、医療費を押し上げる主な原因となっています。調査では、調整している、と回答した回答者の割合と合わせて、支払者と医療従事者が協調、または調整すべき分野について、強調していました。
- 医療費の43%がカテゴリ1(例:これまでのFFSや、医療の質には関係づけられないその他の従来の支払い)
- 医療費28%がカテゴリ2(例:成果による支払い、または医療連携にかかる費用)
- 医療費の29%がカテゴリ3と4の統合(例:共有による削減、共有リスク、包括支払い、または特定集団による支払い)
数値 | 58% (連携している、よく連携している、非常によく連携している) |
患者/メンバー体験 | 45% |
医療連携 | 37% |
費用 | 33% |
意思決定のためのデータ | 33% |
ある意味では、支払者と医療従事者の間に金銭的インセンティブがまだ存在しないことを考えると、私はこれらの結果があまり驚くべきものだとは思いません。価値に基づく支払いへの転換が叫ばれているにもかかわらず、米国における全医療費のわずか30%以下が、代替支払いモデル(APM)とされています[ii]。 これは、前年度に収集されたデータより6%増えています。-よい進歩ではありますが、予想よりも低い数値です。APM適用の現在のデータを見て、Healthcare Payment Learning and Action Network LAN APM Measurement Effort [iii]は、2016年の医療費支払いについて次のように結論づけました。
最近NEJM Catalystの別の記事によると、多くの医療従事者は2つのカヌーの上に立っていると言います。これは業界にとって非常に挑戦的な場所です。彼らがサービス毎の支払いモデルでの安定した収益を継続的に得ている限りは、変化を起こす切迫した土台はないということです。 しかし、ここに問題が横たわっています。支払者と医療従事者が、リスクを共有し財務上の責任への転換へ進むという点で一致していなければ、医療の質、費用、運用効率性 – つまり、より低コストでのよりよい医療提供 - に、協調して取り組むことはできません。 成功のためには、ギャップを埋める必要があります。今ある障壁の多くは、調整されていない目標とインセンティブ、組織間の透明性の欠如というこれまでの歴史がその要因となっています。先に述べたように、支払者と医療従事者は、システムの改善を目指した、よりよい意思決定をするためのデータ活用という点において、もっとも一致していない存在でです。そして、これは解決可能な問題なのです。