医療ITは、本当にFHIR に乗り換える準備ができているのか?

30年前は、相互運用性はもっとシンプルでした。2つのITシステムでデータ交換ができれば、相互運用性があることになっていました。しかし、それから30年が過ぎ、個人または集団でもつデータ量とデータソースは、指数関数的に増加しました。現在、相互運用性には、組織内外にある多くのシステムにあるデータにアクセスし、1つの調和したビューを提供し、そして、それらを、医師にとってワークフロー上、利用可能でアクションが起こせるように表示することが求められています。

FHIR – HL7 Fast Healthcare Interoperability Resources – は、早くも相互運用性の将来の基盤となってきています。FHIR標準は、シンプルで加速的かつ効率的に、システム間での情報共有を可能にし、医療IT業界に大きな改革を起こす可能性を作り出しています。

FHIRの話題は、米国最大の医療ITカンファレンスである年次HIMSSカンファレンスで、今年も最も論じられたテーマの1つであったのは、驚くことではありません。今年のショーでは、標準に関するプレゼンテーションは、昨年は10セッションだったのに対し、60以上ありました。私も、古いHL7を離れ、”FHIR 互換” と表示するベンダーのフロア展示を、あちこちで見ました。これは、FHIR が、いかに早く浸透していっているのかを明確に示すものです。

しかし、FHIR は相互互換の素晴らしい未来と可能性を持っていると思いますが、業界は、既存のHL7v2やCDA標準から、 すぐには飛び出すべきではないと思っています。

これは、FHIR が、新しいシステム構築では、勝利者にならないと言っているのではありません(何故なら、そうなるからです)。しかし、FHIR は、近い将来、他の標準と共存することが必要だと私は考えます。理由は、他の標準を使っている何十億ドルもの価値のある既存の医療ITシステムを置き換えることに関し、経済的に納得いく議論がないことです。私の予測では、FHIR は、翻訳レイヤーとして機能するということです。

実際、これが、私たちがインターシステムズと取り組んだ最初のケースでした。HL7v2メッセージあるいはCDAドキュメントを取り出して、一時的にFHIRとして保存します。FHIR を翻訳レイヤーとして使用することで、システムは、FHIR とその機能を活用することができます。古い標準しか理解しないシステムのバックにあるプラットフォームから抽出するところで、逆変換を行いました。

ではこれは、医療組織にとって、何を意味するのでしょう。こうしたハイブリッドな標準を使っている環境では、さまざまな標準で運用することのできるソリューションを導入することで、生きる永らえる戦略を考える必要があるということです。まだまだ使えているシステム上の既存の技術へ投資をリプレース、あるいは廃棄するのではなく、組織は、FHIR 上に構築した新しいシステム同様、古い標準で動いている様々なシステムからのデータを集約できるソリューションを探すべきです。そうした組織は、FHIR を利用して、集約されたデータにアクセスし、FHIR が提供する技術によって、分析、意思決定支援、診療、二次利用などが可能になります。

FHIR の全ての価値を享受するには、まだ数年かかると思われますが、実現可能であり、そして将来実現するものです。

 

Russell Leftwich(医学博士)
技術バックグラウンドをもち、20年以上に渡り診療に携わるDr. Russell Leftwichは、インターシステムズ社の相互運用性に関するシニア・クリニカルアドバイザであり、また、ヴァンダービルト大学医学部の生物医学情報の助教でもある。内科および臨床情報の認定評議委員も務める。Twetter アカウント:@DocOnFHIR

Russell Leftwich, MD

With an engineering background and over 20 years of medical practice, Dr. Russell Leftwich is Senior Clinical Advisor, Interoperability, for InterSystems and Adjunct Assistant Professor of Biomedical Informatics at Vanderbilt University School of Medicine. He is board certified in internal medicine and clinical informatics.
Follow him on Twitter at @DocOnFHIR.

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