データへの統合されたアプローチ
長年にわたってお客様が行ってきた IT 投資は、段階的にリターンをもたらしてきました。電子カルテ (EMR) や請求システムなど、こうした投資のそれぞれが、価値の「島」のような状態になっています。「量」に基づく支払制度から「価値」に基づく支払制度へと移行しつつある今日の医療環境において、ROI を向上させるためには、複数のシステムにわたる個人や集団のあらゆる情報に 単一の統合ケア記録として リアルタイムでアクセスできることが必要になります。お客様のすべての投資から得られた情報が接続され、統合されると、達成できることの限界がほぼなくなります。以下に 3 つの例を挙げて説明します。
例 1: 救急外来の乱用をリアルタイムで特定
例 1: 救急外来の乱用をリアルタイムで特定
米国フロリダ州マイアミにあり、2,200 の病床数を持つ医療機関であるジャクソン ヘルスは、ニーズに応じ、すべてのアプリケーションのデータをリアルタイムで統合するために、インターシステムズのテクノロジを利用しています。この「サービスとしてのデータ」機能を使えば、組織のビジネス課題が発生ししだい、迅速に対処することができます。
ジャクソン ヘルスは、プライマリ ケア (初期医療) を受けるために、無保険の多くの人が高コストな救急外来を利用していることを把握していました。ジャクソンの集団医療チームは、これらの患者と受付で接触し、介入したいと考えていましたが、彼らを手動で追跡するには人手が足りませんでした。
コンセプトからリリースまで 4 週間
ジャクソン ヘルスの IT グループは、集団医療チームとの協力を通じ、救急外来用のアプリケーションをわずか 4 週間で開発し、リリースしました。このアプリケーションは、EMR や他のシステムからのデータを集約して分析することで、救急外来の「頻繁利用者」の集団を特定します。このような集団の一人が救急外来の受付を行うと、アプリケーションのアラートがケース マネージャに送られ、直ちに介入が行われます。
600 万ドルを削減できる見込み
ジャクソン ヘルスでは、アプリケーションを使い始めてから最初の 6 か月で、上記の介入を行ったことにより、助成の正味コストを 200 万ドル削減できました。来年は通年で 600 万ドル削減できる見込みです。
例 2: 無断キャンセル率を減らすことでコストを削減
ジャクソン ヘルスの敷地は広大で、マイアミ大学附属病院のほか、行動医学、専門医療、リハビリ、管理、および研究用の各施設、そして複数の駐車場が含まれます。そのため、患者にとっては目的地にたどり着くのが大変な場合があります。実際、面積が大きいというだけの理由で、多くの患者が予約に来なかったり、遅れたりしています。確認のための予約用紙や自動電話連絡システムを使うだけでは、問題に十分対処できませんでした。ジャクソン ヘルスの IT チームはここでも、既にさまざまなシステムに存在するデータを組み合わせれば、即座に ROI を高めることのできるソリューションを開発できると考えました。
コンセプトから本番稼働まで 6 週間
チームは、インターシステムズのテクノロジを使って、EMR からスケジューリング データを集め、電話番号、メール アドレス、および患者の使用言語を検証することで、該当する患者のアポに最適な駐車場を特定しました。このソリューションは、テキスト メッセージやメール経由で、毎日約 2,000 件の予約の確認表を送信しています。これには、予約の行き先の写真や指定駐車場などの情報が含まれます。システムの稼働開始後、最初の 3 か月で、ジャクソン ヘルスの無断キャンセル率は 16 ~ 24% 低下しました。システムの運用コストは 1 日につき 3.10 ドルで、これは予約確認表を使う場合よりもはるかに安上がりなだけでなく、完全に自動化されています。
例 3: より正確なコーディングで収益を拡大
医療機関の収益が保険機関からの支払いに依存している場合は、患者の疾患状態について完全に把握し、正確なコーディングを用いることが不可欠です。インターシステムズのお客様は、インターシステムズのパートナーであるクリニカル アーキテクチャ社と共同開発された InterSystems HealthShare の「Clinigraphics」を利用しています。この機能は、患者の疾患に関するすべての関連情報を一つにまとめ、見やすく理解しやすい形で表示します。このソリューションは、洗練された臨床推論技術を備えているため、まだ診断が確定していない疾患や文書化されていない疾患を特定するのにも役立ちます。
医療プロバイダは、患者の集団健康管理コホート内の最も重要な情報 (治療薬のリスト、併存症、特定の疾患に関連する診断テストなど) を簡単かつ効率的に、ワンタッチで閲覧できます。
医療プロバイダは、診断や併存症を含む、患者の全体像を描くためのあらゆる健康情報を入手できることから、適切な保険金の支払いを得るための正確な階層化された状態カテゴリ (Hierarchical Condition Categories) を記録し、医療リソースの利用状況を予測することが可能になります
さらに詳しく
価値に基づく支払いへの移行が進みつつあることから、成功するためには、よりよいケア、よりよいアウトカムへ向かう中で、あらゆる収益機会を捉えることが重要です。インターシステムズがお客様のジャーニーをどのようにサポートできるかについては、 InterSystems.com/jp/industries/health-and-care/providers/ をご覧ください。