協調したケア、イノベーション、および変革の基盤
健康医療エコシステムは、さまざまな組織、地域、制度によってケアが提供される、多様な環境です。同様に、このエコシステムで生成、使用される情報も、多様で分散しており、ダイナミックに変化します。患者ケアの改善とイノベーションの促進には、臨床的、社会的、経済的なデータのすべてについて、最新の総合的な展望を提供する、統合診療記録が不可欠です。
ケアの境界を取り払う
InterSystems HealthShare Unified Care Record (HealthShare統合診療記録) は、医療提供者、保険者、医療消費者、ソーシャル ケアおよび健康サービス、研究者、ソリューション開発者が、データの分散化という問題を克服できるように、共有可能で包括的な統合ケア記録を構築します。HealthShare は統合された記録内の関連するデータを臨床ワークフローとビジネス ワークフローに提供します。使用しているアプリケーションやビジネス エコシステム全体と通信して、リアルタイムの通知を発行し、タイムリーなアクションを促します。
HealthShare のデータは集約され、正規化されて、重複も解消されるため、すべてのデータは、どのソースからのデータであっても、単一の一貫したフォーマットで保存されます。このデータは、分析アプリケーション、HL7 FHIR® (Fast Healthcare Interoperability Resources) アプリケーション (FHIR R4を含む)、人工知能によるナレッジの発見に活用できます。ほぼリアルタイムで更新されるため、常に最新の情報に基づいて作業できます。
HealthShare は、ソフトウェアに対する既存の投資を拡大および拡充します。また、新たなビジネス関係や統合ケア モデルを確実に追求するための強力な基盤でもあります。その他のユース ケースは以下のとおりです。
- 国内医療データ交換ネットワーク (CommonWell や Carequality など) に接続して、それらのネットワークからのデータを統合
- 個人や集団に対する、チームによるコミュニティケアの提供の調整および最適化
- レガシーなデータを統合ケア記録にアーカイブすることにより、ITインフラストラクチャを最新のものに置き換えるときの継続性を保証
- パフォーマンスの動向をタイムリーに確認し、価値に基づくケアの成功に不可欠な治療行程の修正を行う
- ビジネス インテリジェンスを利用して最もリスクが高い集団コホートを識別することにより、限られたリソース コストを効果的に使用
- 請求や臨床のデータ、健康の社会的決定要因に関する情報など、さまざまなソースからのデータを統合し、ケアおよび集団健康管理のイニシアチブを最適化
- 臨床データを USCDI v1 の仕様に、請求データを CARIN 実装ガイドの仕様にマッピングして、保険適用や給付金範囲の説明情報が患者にとって分かりやすくなる
- プロセスの再設計、または臨床研究で、集約されたクリーンなデータを、革新的な方法で利用
- FHIR R4 をはじめとする、FHIR を利用した連携アプリケーションのためのデータを提供
- CARIN 仕様に基づいて構築された患者アクセス API を提供して、CMS ルールの 9115-F 要件に対応 (FHIR リソースへのマッピングも含む)
主な機能
Unified Care Record (統合診療記録)
HealthShare には、包括的で拡張可能な医療データ モデルとデータ正規化テクノロジが組み込まれており、データソースやフォーマットに関わらず、個人に関連するすべての情報を統合します。これには、患者が生成したデータ、臨床コンテンツ、請求、健康に関する社会的決定要因などが含まれます。多くの場合、統合診療記録は、臨床医が使用する電子医療記録システムに直接統合されます。
Clinical Viewer (臨床ビューア)
デスクトップ端末とモバイル端末のどちらからでも同じようにアクセスできる HealthShare Clinical Viewer は、患者やメンバーの長期的なケア記録の表示を可能にします。Clinical Viewer では、臨床医、ケア マネージャ、ケア コーディネータ、ケース マネージャ、その他のチーム メンバーが必要としている、EMR では提供されないような情報も提供されます。患者やメンバーからの照会があると、クイック サマリーに、最も関連性の高い情報が一画面にまとめて表示されます。1 回クリックするだけで、病歴、病状、アレルギー、投薬、検査結果、バイタル サイン、社会的決定要因、請求データ、その他の詳細を知ることができます。
Clinical Viewer で使用可能な HealthShare の「Clinigraphics」は、病状サマリー機能を備えており、関連する検査結果、バイタル、投薬、関連する病状のすべてを一個所に表示して、意思決定プロセスを強化します。
Managed Connections (マネージド コネクション)
システム インフラストラクチャを自ら購入、運用、保護、維持したくはないとお考えのお客様には、HealthShare Managed Connections が、ご利用いただけます。
マネージド コネクションは、多くの組織やさまざまな医療情報システムとの接続やデータ交換を促進するワンストップ ハブとして機能します。(注:現在、Managed Connectionsは、米国のみで提供しているサービスです)
HealthShare Managed Connections を使用すると、CommonWell や Carequality のような国内、連邦ネットワークに単一の接続を提供します。また、他のデータ提供者が HealthShare Managed Connections のパートナーとなった場合の安全で安心な接続も実現します。インターシステムズは、HealthShare Managed Connections ハブに接続していない組織へのオンデマンド接続もお客様に提供しています。
サードパーティ アプリケーションからのシングル サインオン
臨床医の認証の手間を最小限に抑えるため、HealthShare は EMR と Clinical Viewer 間のシングル サインオンに対応しています。管理者によるごく簡単な設定で、臨床医が再ログインすることなく Clinical Viewer に移動できるリンクを EMR 内に追加できます。この機能により、臨床医が他の認証情報を覚える時間と手間を減らすことができます。
メッセージングとイベント通知
HealthShare は、安全なメッセージングと自動通知により、患者を含むケア チーム全体での調整されたケアをサポートします。ケア マネージャは、救急外来、異常な検査結果、ケアのギャップ、予約した日時に来院しないなどのイベントについて、メンバーに対するアラートを登録できます。この通知により、コストのかかる不適切なイベントを回避し、望ましい成果を得られるよう、ケア チームと患者を調整できます。
健康の社会的決定要因
HealthShare を使用すると、医療とソーシャル ケアのコミュニティ全体で特定の個人の詳しい状態を把握しやすくなります。生活状況、健康に良い食べ物が手に入るかどうか、交通機関へのアクセスなど、患者の健康全体に影響を与える非臨床的な要因を保存、分析、共有できます。
高度な FHIR の機能
HealthShare では、FHIR の最新バージョンである R4 と前バージョンの STU3 を同時にサポートしており、インターシステムズは医療相互運用性での指導的地位を長年にわたり維持し続けるています。インターシステムズは、以下のように FHIR をサポートしています。
- すべてのデータを FHIR リソースとして表現し、FHIR サーバーを使用してさまざまなデバイスやアプリケーションとのデータ共有を簡素化
- レガシーデータ形式と FHIR 間のマッピング機能により、従来のシステムの価値を向上
- データ モデルのカスタマイズを FHIR 拡張にマッピングできるグラフィカル ユーザ インタフェース
FHIR に加えて、HealthShare は、データ ソースで使用されている HL7v2 や複数の CDA フォーマットなど、相互運用性に関する国内外の主要な標準をすべてサポートしています。
パフォーマンスと規模
HealthShare は、その目的を確実に達成することから、あらゆる規模で医療情報を集約、共有するための最先端のソリューションとなりました。データ品質、システム管理、分析、運用レポートのためのツールは、施設全体での使用状況を追跡、管理するのに役立ちます。
管理
HealthShare の管理ポータルは、ビジネス プロセスの監視とシステムの円滑な運用を支援します。このポータルは、運用やデータの品質に関するダッシュボードや、患者の同意の管理や設定、データのフィルタリングに使用するツールを備えています。管理ポータルには OAUTH2/OpenID Connect に基づくシングル サインオンで迅速にアクセスできるため、安全な一元管理が可能になるほか、「パスワード疲れ」や「パスワード忘れ」も減らすことができます。
サービスを超えるもの
HealthShare Unified Care Record は、医療連携ソリューション HealthShare スイートの基盤となるものです。マネージド サービス製品として提供され、機械学習のデータ アグリゲータ、または InterSystems IRIS for Health 上に構築した独自のソリューションとして機能します。HealthShare Health Insight、HealthShare Patient Index、HealthShare Care Community、HealthShare Provider Directory、または HealthShare Personal Community と組み合わせることで、デジタル変革戦略をさらに推進することができます。
インターシステムズのマネージド サービス
Iインターシステムズは、クライアントごとに独立した環境で、マネージド サービスの設計、運用、保守を行っています。可用性が高いソリューションに必要なインフラストラクチャを購入および管理するときの負担を減らします。すべてのマネージド サービスに以下が含まれています。
- インターシステムズの厳選された製品機能
- ソリューションを実行するために必要なハードウェアやネットワーク容量などの、あらゆるデータセンター リソース
- すべてのソリューション コンポーネントの継続的なメンテナンス
- 接続の構築など、ソリューションを稼動させるための、お客様固有の設定および導入サービス
- リアルタイムのモニタリングなどの、年中無休のソリューション サポート
- シームレスなアップグレード
- 高度なセキュリティおよびデータ保護プログラム
インターシステムズのマネージド オペレーション
インターシステムズは、レジリエンスを確保するために、世界各地でデータセンターを運営しており、経験豊富なスタッフがインフラストラクチャ、セキュリティ、パフォーマンスを年中無休で管理しています。マネージド オペレーションには、ホスティング、自動モニタリングとアラート通知、継続的なメンテナンス、月次運用レポートが含まれます。
カスタマ サポートと教育
HealthShare をお選びいただくと、テクノロジ以上のものが手に入ります。また、インターシステムズの定評あるカスタマ サポートと幅広い教育機会も得ることができます。HealthShare の教育リソースについては、 Learning.InterSystems.com をご覧ください。HealthShare とその製品ファミリの詳細は、 InterSystems.com/jp/HealthShare に掲載されています。