医療業界では、医療における会員の体験改善が求められる中、アウトカムによる支払いモデルへと移行しており、健康保険会社(ヘルスプラン)は、膨大なデータ分析(AmazonやVerizonといった特に、消費者に牽引される企業にみられる)によって、医療消費者としての会員をより理解するようになっている。会員が受診するよく構造化された請求データとともに、保険会社は、自社で行う定期的な調査、消費者レポート調査会社、ケア管理メモ、臨床データ(構造化、非構造化データを含む)など、従来利用していないデータを取り込もうとしています。
非構造の臨床データの海から意味を解析する自然言語処理技術を使って、ケア管理、消費者サービス記録から、会員や特定集団についての新しい洞察を創造することができます。
社会的要因(経済的な安定、近隣、物理的環境、健康食品の有無など)とともに、保険会社は、より意味ある、そして潜在的に行動可能な方法で、彼らの会員や消費者を知る事ができるようになっています。こうした全てのデータによって、データサイエンティストとアナリストが、革新的なデータマイニング技術を使って、より深い会員プロファイルを作成できるようにしています。会員のプロファイリングによって、広範に向けたショットガン的なアプローチをして、何が効果的かをみるのではなく、よりインパクトの大きいプログラムやリソースをターゲットすることができるようになります。
保険会社は、データや予測分析を使って、患者のアウトカムの改善につながる介入をするようになっています。当社では、例えば、構造的な医療費請求の履歴データ、社会的要因(一人暮らしか、家に階段があるか、栄養価の高い食事がとれるか、など)、転倒リスクに関する自己評価の調査データを使って、高齢者会員の転倒するリスクを予測するモデルを作りました。そして、ターゲットしたプログラムを作成し、PERS機器(Personal Emergency Response Systems – MedAlertのようなもの)を提供しました。これは、会員が不安になったときに医師に連絡ができたり、転倒したときに医師にアラート配信をするものです。この早期介入プログラム作成は、より深刻な怪我や費用のかかる入院を防ぐ支援をします。
保険会社は、HIE(医療情報交換)を導入することで、病院や医師から、臨床記述を受け取ることができるようになり、これまで手がつけられなかったリソースから、特定のサービスが行われているか、あるいはケアの傾向を見極める取り組みを開始しています。自然言語処理は、非構造化データである患者の臨床記録を扱う、鍵となる戦略を可能にしました。事実、HEDIS(NCQA によるHealth Effectiveness Data Information: 健康保険会社の評価セッションで、保険会社は、記入された臨床所見を使って、恐怖の「追跡」プロセスの負担を軽減し始めています。追跡プロセスでは、多くの保険会社のスタッフが、診療所に送られ、HEDISレポートを補完するために、医療記録を調査、検索するものです。これは、診療所における進行中の軋轢で、取引のあるほぼ全ての保険会社に、こうした記録を提供しなければなりません。
保険会社は、保有データが豊富になり、先進的なデータ分析を行うなか、適切な患者との適切なやり取りを適切な時間に行うことができるような支援をし、医師との衝突を減らすことができます。最終的には、これは、何が最も重要で、会員にとっての可能な限り最良のアウトカムを得られることに注力するレシピです。
著者について
Mark Tayler(マーク・テイラー)
ニューヨーク市 Ready Computing 社 戦略的コンサルティングディレクタ。管理システムや品質改善戦略導入を推進する、高い評価の保険会社との豊富な経験をもつ。保険会社への医療情報交換技術導入を通して、リアルタイムデータの統合と患者アウトカムの改善に注力。