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InterSystems IRIS 誕生の背景 ―データを制すものはビジネスを制す 

2018年、InterSystems は、新製品 InterSystems IRIS Data Platformの販売を開始しました。

IRISはデータ管理に関わる様々なチャレンジに対応する次世代データプラットフォームとしてデビューしました。GAFAに代表される先進のIT企業がその現時点の覇権を獲得した源泉は言うまでもなく、多量のデータを集め、それを整理して付加価値に転換したからに他なりません。

データを制するものが勝つということを正に実証してきたのだと思います。
そしてデータを制する競争は、これまで以上に激化していきます。

GAFAに続き覇権を得ようとする者あるいはGAFAから覇権を奪おうとする者、様々な組織がその次を狙っていることだと思います。そこまで大げさな話でなくても、あらゆるビジネスカテゴリーで「データを制するものが競争優位に立つ」ということはもはや自明の理だと言えるでしょう。

そういう状況の中、データを制するためのデータ管理が益々重要になってきています。

1978年の創業以来データ管理に関連するソリューションの提供を続けてきたInterSystemsにとってもこれは大きなチャンスでもあり、逆にリスクでもあります。我々もその激しい競争に伴う要求の変化に迅速に対応していかなくてはなりませんし、対応できなければ市場から退場せざるを得ません。

そして冒頭で述べたようにInterSystemsは従来のソリューションとは一線を画する新製品としてInterSystems IRIS Data Platformをリリースしました。

ここで賢明なる皆さんであれば、当然浮かぶであろう1つの疑問があると思います。

「要求の変化に対応するのであれば、何故既存の製品を機能強化することで対応しないのか?」
確かにおっしゃるとおりです。

実際の所、IRIS Data Platformは新製品と言いながら、全くスクラッチから開発したわけでなく既存の製品であるCaché、Ensembleからほとんどの機能を引き継いでいます。別な言い方をするとInterSystemsの40年に渡るデータ管理に関する経験、資産をそのまま活用しています。

一方で、正の資産だけではなく負の資産と言えるものも継承しています。負の資産とは、つまり過去に組み込んだものの現在ではほとんど使われていない、あるいは現在では全く意味のない機能やデータなどです。これらは積もり積もることで少なからず製品のパフォーマンスや製品保守に悪影響を及ぼしています。しかし、既存製品という枠組みの中でそのような機能を削ぎ落していくのは、互換性の保持という観点から現実的には困難です。しかし、こうした事が大きな足かせとなり、激しい変化に迅速に対応できないという課題に直面します。

例えばIRISのターゲットフォーカスの1つにクラウド対応というものがありますが、クラウド上での運用において1つの重要な要素としてパッケージの軽量化があります。IRISでは従来の製品に比較して劇的にパッケージのインストレーションに必要なデータ量を削減しています。これは、いままでの既存パッケージに含まれていた必ずしも必須ではないファイルを極限まで削減することによって得られた効果です。

「先ほどの疑問に対する答えは、既存の資産を継承しつつ、様々な市場からの要求に迅速に対応していけるよう足かせとなるものをそぎ落として、新たな製品としてIRISを開発することにした。」

ということになります。
言わば、最近よく聞かれる断捨離をしたということで、20年来の垢をきれいに洗い流し、新たな出発をしたというところだと思います。これによって得られるメリットは大きいですが、一方、過去の資産を継承しつつも既存製品とは互換性がない部分が発生したことは事実です。

次にもう1つ考えられる質問は、既存製品はどうなるのかというという事も、既存の製品をお使いの皆さまの関心事の1つではないかと思います。

これに対する回答は次の通りです。

- 既存製品のメジャーリリースは、2018.1で終了(予定)し、今後は、メンテナンスリリースのみ継続される。
- メンテナンスリリースではクリティカルなバグフィックス、新しいOSバージョンへの対応保証、セキュリティ脆弱性への対応および限られた機能追加等が提供される。
- メンテナンスリリースはしばらく継続されるが、これもある時期に終了し、その後の製品サポートはベストエフォートで提供される。

上記のとおり既存製品のサポートはしばらく継続しますが、Caché、Ensembleのユーザ様はなるべく早期にIRIS Data Platformへの移行をしていただく事をお勧め致します。

ということになります。

互換性がない部分があるにしろIRIS Data Platformと既存製品(Caché、Ensemble)はほとんどの機能を継承しています。(ただし、今後はIRIS Data Platformに様々なものが追加され、機能差は拡大していくと思います。)
ただ、既存製品上で動作しているアプリケーションのIRISへの移行には、少なからずプログラムコードの変更が必要となり、開発者の皆様には、恐縮ながらお手間をお掛けすることになるかと思います。インターシステムズジャパンのスタッフ一同は、IRISへの移行がスムーズに進むよう全力でご支援させていただきますので、ご質問、ご依頼等ご遠慮なくお申し付けください。なお非互換性に関する詳細情報は近日中にご提供できるよう準備を進めております。いましばらくお待ちください。

冒頭でも述べたように変化の激しい、競争の熾烈なIT業界で生き残るためには、何にも増して迅速に行動していくことが求められています。そのような環境下で、変化に迅速に対応して競争力の高い製品をお客様に提供していくために、インターシステムズはIRIS Data Platformに集中していくという決断を下しました。

「データを制するものがビジネスを制する」時代となり、データプラットフォームの能力と役割はこれまで以上に重要です。そうした中、インターシステムズはよりよい製品をご提供し、パートナーの皆さま、ユーザの皆さまの成功に貢献していくよう一層の努力をして参ります。

 

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