COVID-19をきっかけとした画期的なリモートでの運用開始
ニュージーランドがCOVID-19の感染拡大を阻止するため、世界でも極めて厳格なロックダウンに踏み切った3月に、オークランド最大規模の病院グループの1つであるMercyAscotとインターシステムズから派遣されたチームが、TrakCareの患者管理および請求書作成機能の運用開始に取組みました。この作業は、臨床への完全展開までの第1段階となるものでした。準備から運用開始までの時間が短いほど、スタッフがそれまで行ってきた大変な作業もすべて無駄になることなく活かされるだろうと、チームは認識していました。MercyAscotのプロジェクト責任者Sarah Gardner氏は、「待つ時間が長いほど、実現は困難だったでしょう」と述べています。
COVID-19によって作業が頓挫する恐れはありました。
しかし、そうはならなかったのです。
それどころか、両組織の従業員たちは、これまでほとんど行われていなかった、インターシステムズTrakCareの運用をリモートで開始するための革新的な方法を編み出しました。5月中旬に運用を開始できたことで、今後のリモート実装の道が開けました。日常的に混乱が起きていて、機敏に対応できることが不可欠となった現在の世の中ではなおさら、こうした経験が重要になります。
インターシステムズのプロフェッショナルサービス責任者Nicole Cameronはこう語っています。「このバーチャルでの運用開始モデルのおかげで、場所の障害が取り除かれ、実装された戦略が非常に有効なものとなりました。有意義で大きな変化がもたらされたのです。」
それでは、このリモートでの運用開始を成功に導いた要因は何だったのでしょうか。
- 高い問題解決能力。戦略を実装するには、まったく新しい作業構造、バックアップリソース、多少の社員のダウンタイムにも対応することのできるスケジューリングが必要でした。バーチャルでの運用開始モデルにより、そのための土台が構築されました。また、このプロジェクトでは、データ移行などの重要な作業で障害が発生して社員がインターネットにアクセスできなくなった場合に備えて、3層の冗長性を確保しました。
- きめ細かいコミュニケーション。チームのメンバーは問題を複雑さに応じて分類したため、的を絞って作業を行うことができ、作業者に難題がもたらされることはほとんどありませんでした。極めて重要な作業を行うときには、MercyAscotとインターシステムズとの間で定められたトリアージプロセスに従いました。従業員はコミュニケーションを追跡管理して、大切な情報の紛失を防ぎました。また、Microsoft Teamsで幾度となくやり取りをしたおかげで、全員が互いに顔見知りになることができました。
- 信頼のおけるパートナーシップ。この運用開始が1年前に計画されていたら、まだ両社の関係は始まったばかりだったので、これほどスムーズには進まなかったかもしれません。「信頼で結ばれた強い絆が築かれていたので、離れていても安心して仕事をすることができました」と、Cameronは述べています。
MercyAscotでTrakCareが稼働を開始した今、目下の関心事は、組織全体における医療の変革を推進するためのプロジェクトを今後どのようなマイルストーンで進めていくかということです。その一方で、インターシステムズは、これからも新しい仕事の進め方について検討し、学んだ教訓を活かしていきます。
「この取り組みをCOVIDサンドボックスと呼んでいます。私たちは、将来の仕事のやり方に重大な影響を与えるようなアイデアを楽しみながら考えています」と、Cameronは語っています。「お客様の問題の解決策がもっと早く見つかるようになるかもしれません。あるいは、実装をもっと効率化して、お客様により早くソリューションを提供できるようになるかもしれません。」
ですが、まずはMercyAscotとインターシステムズは、リモートでの運用開始の成功祝いをバーチャルで行うつもりです。ここ何世代にもわたって経験したことのない最悪のパンデミックを迎えている最中でも、現実の社会におけるデータドリブン化の促進に貢献するイノベーションを称える祝杯なら、一度といわず何度挙げても許されるでしょう。
MercyAscotのリモートでの運用開始について詳しくは、 こちら(英語)をご覧ください。
この事例は、こちらからもご覧頂けます(英語)-2020年7月20日-OnTrak News Flash No.5: The Fight Against COVID-19 newsletter