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中国におけるCOVID-19との戦いから得られた経験

InterSystems China、Qianzhu Liu医師による寄稿

COVID-19が中国で発生したとき、医療組織は迅速に行動を起こし、ウイルスの拡散を食い止めるためにあらゆるリソースを動員して、大規模な戦いに挑むことになりました。この戦いではインターシステムズが、次々と生み出される新たな治療方法に適したソフトウェア設定をお客様が適用できるよう、迅速に対処する必要もありました。

新しい「発熱外来」を迅速に開設して、治療のスケジュール、治療を担当する医療提供者、安全上の制限をはじめとする、十分な機能を果たすことのできる医療施設の設立に必要なさまざまなことを設定できる必要がありました。インターシステムズはまた、地域の新しいガイドラインに基づいて、新しい文書テンプレート、スクリーニングフォーム、オーダーセットも実装しました。患者の評価と結果を追跡するための意思決定支援メカニズムを導入し、患者が自分の病状がどう管理されているのかを追跡できるようにするためのCOVID-19専用のダッシュボードを構築しました。

中国では、巨費を投じてこうしたシステムを開発しました。そしてインターシステムズは、これからも続くCOVID-19との戦いにおいて、中国での教訓を他の国でも有効に活かせることを願っています。

 

発熱がある患者のための隔離された外来診療部門の設立

中国政府は、特定の病院にCOVID-19の患者の治療に当たるよう指示しました。高度な医療を提供できない、あるいはCOVID-19に対応できる施設を備えていない他の病院は、ウイルスの拡散を防ぐために、患者をすぐに指定病院に転院させる必要があります。中国でTrakCareを使用されるお客様は私立病院であり、公立病院とは違って通常は発熱外来を備えていません。そのため、まずは隔離された外来診療部門としての発熱外来を設ける必要があります。

外来患者向けワークフローの修正

一部の患者は自覚症状がないままCOVID-19に感染している場合があります。すなわち、患者が外来診察を予約するということは、感染を発見する機会が与えられることになるのです。この検査では、患者が外来担当医の診察を受ける前に、まず病院の正面入口、次に外来受付で、2回の体温スクリーニングを行います。

患者が通常の外来受診手順に従って診察を受ける前に、該当する疫学歴があれば発見できるよう、すべての患者が(TrakCareで設定された)COVID-19に関する問診票に記入します。患者の体温に異常があるか、該当する疫学歴があった場合は、発熱外来またはCOVID-19チームの医師に相談し、患者の診断と治療の計画を決定します。

入院患者向けワークフローの修正

入院患者のリスクはさらに高いため、外来患者よりも厳密な検査を行います。問診票でのスクリーニング、詳しい血液検査、COVID-19の抗体検査、胸部CTスキャン(妊娠中の女性を除く)をはじめとする、COVID-19オーダーセットから返される結果が陰性だった場合に限り、患者の入院が許可されます。陽性の結果が出た患者は、指定された施設に移送されます。

手術室向けワークフローの修正

手術室の管理手順は、入院患者の場合と同じです。ただし、急患や出産の場合は、COVID-19のスクリーニングを実施している時間がない可能性があります。そのような場合は、COVID-19以前の標準的な手順に従いますが、臨床医の防御態勢を強化する必要があります。救急患者や妊娠中の女性がCOVID-19陽性と判明した場合は、医療スタッフが最高レベルの防御態勢を取るとともに、以下に説明するようにCOVID-19チームのコンサルタントによる観察が必要です。

スタッフの再割り当て

病院は、医療組織の理事会メンバーと、呼吸器科と集中治療室の医療専門家を含む、COVID-19専門のチームを組織する必要があります。このチームは、他の病院スタッフに知識とベストプラクティスを伝達する責任があります。こうした情報は状況に応じて変化する可能性があります。たとえば、従うべき手順に関する政府のガイドラインは、感染の拡大に伴って変更されるかもしれません。

また、発熱外来が継続的に機能するよう、さまざまな部門の臨床医をスタッフに含める必要があります。発熱外来の業務はきわめて過酷なので、個人に過大な負担がかからないよう、スタッフ全体に負担を分散させる必要があります。

スタッフ全員が、COVID-19の患者の特定方法、患者の移送手順、COVID-19から身を守る方法について、トレーニングを受ける必要があります。

TrakCareのサポート

TrakCareシステムでは、病院や診療所で役に立つような、国際的なCOVID-19ガイドラインに沿った設定と修正がいくつか行われています。これにより、以下のことが可能になります。

  • 新しい拠点の開設(発熱外来など)。
  • 発熱外来に勤務する臨床医向けの、新しいセキュリティグループとアクセスプロファイルの設定。また、医療組織によっては、発熱外来の医師向けの緊急用セキュリティグループとアクセスプロファイルを使用し、新たに設定せずに済ませることもできます。
  • 新しいアクティブな臨床メモのエントリタイプの設定。
  • COVID-19関連のすべてのオーダーを含む、新しいオーダーアイテムとオーダーセットの設定。
  • COVID-19のスクリーニング用の問診票の設定。地域のガイドラインは変更されるので、継続的に修正を加える必要があります。中国では現在までに、TrakCareを使用している医療機関を訪れた15,000名を超える患者に、COVID-19の問診票が使用されました。
  • COVID-19のスクリーニングの状況と結果を示す、新しくデザインされたアイコンの実装。
  • 監視用のCOVID-19統計ダッシュボードの作成。


この事例は、こちらからもご覧頂けます(英語)-2020年4月17日-OnTrak News Flash No.2: The Fight Against COVID-19 newsletter

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