Success with Caché
1996年に起きた悲劇的な犯罪とその余波を受け、ベルギー警察部隊では徹底的な改編が行われました。1998年には、ベルギーの196の独立した市警管轄(各々の情報システムを寄せ集めて使用)、連邦警察(独自の情報システムを保有)と、犯罪捜査課を合併し、連邦と地方という2レベルの警察部隊を作り、単一組織へ統合する新しい法律が制定されました。また、その法律には、連邦警察に対して、全ての部隊が共有できる単一のコンピューティング・ハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャの開発が含まれていました。核となるデータの管理と、アプリケーションの基盤に、連邦警察はCachéを選択しました。
連邦警察の情報技術ディレクタ、Eddy Muylaert氏は、一連の新しいCachéベースのアプリケーション開発を監督しています。これには、高度なセキュリティのWebポータルを介してアクセスするアプリケーションを使った、輸送、捜査管理、送金モジュールを含んでいます。また、Cachéは、ファイル管理、人事、物流、給与支払い、電話番号検索、といった日々の警察を運営する上で必要なアプリケーションをサポートしています。
「全てのアプリケーションが現場で完全に運用可能になれば、約2万4千台のPCから、4万5千人の警察職員が、24時間365日、使い続けることになるでしょう。」と、Muylaert氏は述べています。「OSにRedHat Linuxを使用し、インテルを実装したハードウェアとCachéの組みあわせは、間違いなく信頼性が高く、速く動作します。」
捜査管理モジュールは、イベント、人、交通機関、場所、様々なフォーマットの詳細点などといった情報を1つに集め、捜査員が1つの事件を広範に俯瞰できるようになっています。また、クロスリファレンスとデータ解析の機能もサポートしています。「このアプリケーションは、我々がどのように行動するのかを自然な形でデータベースにモデル化することができ、このことは、Cachéのもつ革新的なオブジェクト指向の本質をよく表しています。」とMuylaert氏は述べています。
「これまでであれば、よく知られたリレーショナル・データベース技術を選択していたでしょう。その意味ではCachéは全く新しい選択でした。」と、Muylaert氏は続けます。「しかし、以前に警察部隊で使っていたSybaseとInformixから、データ、メタデータ、ストアドプロシージャをCachへ簡単に移行できることと同様に、Cachéのパフォーマンスと信頼性、最小限のハードウェアで動く、ということが重要なポイントだったのです」。