InterSystems READY 2026では、MITの審査員で構成された独立した審査委員会による厳正な審査を経て、世界中から選出されたインターシステムズの顧客企業が
InterSystems Impact Awardsを受賞しました。 受賞候補企業は、6つのカテゴリー(医療保険プラン・医療交換(HIE)、医療提供者、ヘルステック、公共部門、サプライチェーン、金融サービス)からノミネートされました。 審査は以下の3つの主要な基準に基づいて行われました:
- 人材、組織、社会に有意義な変化をもたらした。
- AIや自動化などを活用し、新たな分野を切り拓いた。
- 他の人々が学べるような手本を示した。
READYのセッションや講演で主要テーマとして取り上げられたトピックには、
今年のインパクトアワード受賞の革新的な取り組みも反映されていました。
- 今年の最大のテーマ:実用的なAI
- さらなる進化:デジタルによる近代化、相互運用性、AIへの備え
- 注目が高まる地域の課題:遠隔地・農村地帯の医療変革
今年の最大のテーマ:「実用的なAI」
医療分野をはじめインターシステムズのその他の事業分野において、人工知能(AI)技術の重要性が急速に高まっていることを強調するため「インパクトアワード」では「AI That Works」と題した第7の特別部門が設けられました。 この”ボーナス”部門の最終受賞者は、6つの主要部門のいずれかで受賞した企業の中から選ばれました。 AIが実験段階から実用化段階へと移行しつつあるという大きな潮流を物語っています。
「実用的なAI」=「AI Now」
「AI That Works」の本質、つまりAIは既に稼働しており、勝者たちの成功に貢献しています。もはや計画中・準備中の新しいレベルの機能強化などではありません。 ここでいうAIには、最近の進展―特にベクトルデータベース、ベクトル検索、それらを基盤とした生成型技術やチャットボットのような技術―に加え、機械学習のような確立された技術も含まれており、これらはすべてInterSystems IRIS、InterSystems IRIS for Health、InterSystems HealthShare やUnified Care Record等の技術の上に構築されています。
受賞企業全体に共通するテーマ、それは組織がAIを単にタスクの自動化に利用するだけでなく、医療、金融サービス、サプライチェーン、公共サービス、その他の「サービスが、どのように提供されるべきかを再考するために活用されている」ということです。 AIは単なるテーマにとどまらず、今年のプロジェクトの多くに深く織り込まれています。
- 応募作品の半数以上(受賞作品の多くが含まれます)は、事務負担の軽減から意思決定の改善に至るまで、医療、その他の分野における深刻な課題を解決するためにAIを活用していました。
- プロジェクト全体を通じて、AIはチームがデータをより迅速に分析し、定型業務を自動化し、パターンを特定し、より的確な意思決定を行うことを支援しています。
- ソリューションは、AIアシスタント、臨床ワークフローの自動化、医療画像解析、研究やイノベーションを加速させるデジタルヘルス・データサンドボックスなど、幅広い分野に及んでいます。 多くの場合、AIは現在のイノベーションを直接推進するだけでなく、将来のイノベーションを可能にするツールやプラットフォームも提供しています。
- AIにおける個人データのプライバシー、セキュリティ、倫理的な利用をめぐる諸問題にも焦点が当てられています。
デジタルヘルスケア・データサンドボックスによる未来のイノベーションの育成
中には次世代イノベーションの礎を築いている人々もいます。 中東の ドバイ保健局とAssuta Ashdod 病院は、研究者やイノベーターが安全に新しいアイデアを模索できるデジタルヘルスデータ・サンドボックスを構築しており、信頼とガバナンスを維持しつつ、新たな発見を加速させています。
AIを活用した計画・情報共有による医療管理
- チリの GesNova SaludのSITGEQプラットフォームは、臨床医が手術をより効果的に計画できるよう支援し、高度なインテリジェンスを患者ケアに直接取り入れています。
- 米国では MedAllies(Centauri Health Solutionsの傘下企業)は、AIを活用して医療情報へのアクセスを容易にし、実用的な活用を促進することで、組織がデータをより効率的に共有・分析できるよう支援しています。
AIによる公共サービスの変革
医療の提供にとどまらずAIは公共サービスも変革しつつあります。
- ブラジルでは Facilit Tecnologia社の「ターゲットプラットフォーム」が、セルジペ州の公共共ガバナンスと意思決定の改善に貢献しています。
- 日本では 京セラコミュニケーションシステム株式会社が、AIを活用した「SHELF EYE」技術を用いて、図書館の管理業務の近代化を進めています。
- 米国では 社会保障局が相互運用可能な医療データとAIを活用し、障害認定手続きの効率化と給付サービスの改善を図っています。
「実用的なAI」:対照的なアプローチで成功を収めた企業
「AI That Works」部門の受賞作品は、このテーマを対照的な2つの方法で表現しています。
- イスラエルのAssuta Ashdod Hospitalが運営するアシュタ・メディカル・サンドボックスは、提携病院が匿名化された臨床データを用いて、医療イノベーションの検証を行うことを可能にする一方で、同病院自身のデジタル化・研究能力の強化にも寄与しています。 BloodGPTやTailorPathのような革新的なスピンオフ企業は、個別化された診断で医療の質を向上させています。
- チリのUC CHRISTUSの「PRISMA」イニシアチブは、AIを活用して医師と患者の会話の周囲音声をモニタリングし、臨床記録の作成を自動化・改善することで事務負担を軽減しています。
受賞者ならびに全てのノミネートされた企業は、自動化、リアルタイムの洞察、ユーザー中心のソリューションに重点を置きながら、効率性、精度、成果の向上へ、AIが多様で影響力のある形で活用されていることを示しています。 臨床医、研究者、公務員、一般市民の支援において、こうした取り組みは、インテリジェント技術が重要なサービスの提供方法をいかに変革しているかを示しています。
さらなる進化:デジタル近代化、相互運用性、AIへの備え
お客様が近い将来(まだ活用していないのであれば)AIを活用するには、デジタル近代化を通じてデータ資産に多額の先行投資を行う必要があります。具体的には、旧式のシステムやアプリケーションのアップグレードや移行、ツールやデータの散在化の解消などが挙げられます。 AI以外でも、ほんの数年前と比べて、今日のデータシステムに課せられた要求の多さから、頻繁な近代化が不可欠となっています。 今や移行は生活の一部となっています。
インパクトアワードのノミネート作品・受賞作品の中には、近代化がもたらす大きなメリットを体現し、デジタル近代化の理想形を示すものが数多くあります。 単なるシステムの近代化にとどまらず、自動化され 相互運用可能なデータ交換を導入することの大きな利点は、イノベーションにおいて際立っており、この分野でインターシステムズの技術が長年にわたり極めて重要な役割を果たしてきました。
従来のサイロ型システムから最新の接続性とパフォーマンスへ
Chadwicksグループ、
Matrix、
米国社会保障局、
トスカーナ地域保健サービス、
ZORGIといった受賞企業のイノベーションにおけるデジタルの近代化は、レガシーシステムを最新かつ相互運用性が高く、AI対応のプラットフォームへと変革することに重点が置かれていました。 受賞理由は以下の通りです:
- 中核システムをアップグレードし、アクセシビリティとユーザビリティを向上。
- モジュール型かつユーザー中心のアーキテクチャへ移行。
- デュアルシステム・シングルデータベース構成などの手法による業務の統合。
InterSystems IRISと関連技術が重要な役割を果たしました。 こうした取り組みにより、業務の効率化、生産性の向上、コンプライアンスの強化、将来的なAIを活用した機能強化への備えが実現されましました。同時にビジネスへの支障を最小限に抑え、サービスの継続性を維持することができました。
業務が中断しないアップグレードと移行
アイルランドのChadwicks グループとイスラエルの Matrixスは、包括的なシステムのアップグレード、移行、統合を通じて、業務に支障をきたさないデジタル近代化というテーマを体現しています。
- Chadwicksグループは、自社のエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムを、クラウドネイティブでユーザー中心、かつAI対応のプラットフォームへと刷新し、業務の効率化を図るとともに、急速な事業拡大とコンプライアンスの遵守を実現しました。
- Matrix社は、従来のERPを分散型SaaSモデルへ移行し、財務業務を統合することで高いパフォーマンスと拡張性を実現しました。これによりMatrixは、顧客のデジタル・トランスフォーメーションを支援する体制を整えることができました。
両社はInterSystems IRISを活用して、リアルタイムのデータアクセス、業務効率の向上、AIを活用した機能強化に向けた将来への備えを実現し、デジタル・トランスフォーメーションの新たな基準を打ち立てました。
注目が高まる地域的焦点:農村部の医療変革
READY 2026のもう一つの重要なテーマは、 地方の医療改革、大都市圏や周辺地域に住んでいない患者が利用できる医療へのアクセスと質の向上を図ることでした。 2026年のインパクトアワード米国部門受賞団体 Georgia Health Information Networ(GaHIN)とBlue Cross & Blue Shield of Mississippi(BCBS MS)の2団体の取り組みは、このテーマに沿っています。 しかし、このテーマの意義はさらに広く、オーストラリア、イギリス、ヨーロッパの一部など、 米国以外の地域にも及んでいます。
地方の医療が抱える課題
地方の医療は、医療の断片化、人材不足、専門医療サービスへのアクセス制限という3つの重大な課題に直面しています。 患者がデータ共有や連携が行われていない複数の独立した医療機関を受診すると、医療の断片化が生じ、その結果ケアの不備、紹介の漏れ、重複診療、その他の非効率性が生じることになります。 人材不足がこうした課題をさらに深刻化させており、地方では医療従事者の確保や定着に苦慮しているため、一貫性のある質の高い医療を提供することが困難になっています。 また地方に住む患者は、通院距離の長さや専門医へのアクセスが限られていることに直面しており、その結果、適時の治療や経過観察が遅れてしまう問題があります。 こうした課題が相まって、健康状態の悪化を招き、地方の医療体制にさらなる負担を強いることになります。
救いの手:適切なテクノロジーを適切な方法で導入する
テクノロジーで、こうした課題を解決することができます。 InterSystems Regional Health Connectionsのような、共有可能で 相互運用性のあるデータインフラストラクチャは基盤となりうるものです。多様な情報源からのデータを受け入れて、統一的な患者記録を作成し、ケアチーム間のリアルタイムな連携を可能にし、統合されたワークフローを促進します。 HIE、人工知能(AI)、臨床意思決定支援ツールなどは、臨床医や患者にリアルタイムのデータへのアクセスと実用的な知見を提供する、極めて重要な基盤技術です。 これらのツールは不要な紹介を減らし、プライマリケアの臨床医を支援し、治療の連携を改善するものであり、特に専門医の数が限られている地域では極めて重要です。
医療の包括的な意味
GaHINとBCBS MSは、受賞したイノベーションの一環として、地方におけるデジタルの近代化がもたらすメリットとして、行動ケアと社会ケアの統合、医療データを超えた相互運用性の拡大、人口レベルでの分析、そして包括的なケアと情報に基づいた意思決定を支えるAIを活用した知見を挙げています。 こうした技術や戦略を活用することで、地方の医療は直面する課題を克服することができます。 こうした取り組みは、成果の向上を図り、遠隔地の地域社会にとって持続可能な医療提供体制を構築することを目的としています。
「READY 2026」におけるインパクトアワード受賞作品とテーマをご覧ください
今年のREADYのテーマやインパクトアワードの受賞者について詳しくは、以下の録画動画をご覧ください(英語):


































