
顧客:グローバル投資銀行
課題:既存の Hadoop データレイクの制約に対処する必要がありました。リアルタイムのデータストリームに非対応で、十分なスケーリングができず、分析ニーズを満たしていないという制約があり、これが銀行の顧客管理アプリケーションの応答時間が低速化する原因となっていました。
成果:InterSystems IRIS データプラットフォームと既存のデータレイクをシームレスに統合することにより、高度な照会、大量のデータのスケーリングと処理、高速のリアルタイムデータ処理を実現しました。ポートフォリオ分析、リスク、およびコンプライアンスに対応する事業分野全体で、銀行の分析ニーズを満たします。
<STORY>
世界最大規模の投資銀行が、Hadoop データレイクの制約の影響を受けたのを契機に、データレイクとその製品アプリケーション間の動的なデータ層として InterSystems IRIS® データプラットフォームを実装しました。その結果、銀行の増え続ける要件に対処するだけでなく、既存のハードウェアを活用して経費を節約することができました。高性能のトランザクション・分析データベースエンジン、包括的な統合プラットフォーム、豊富な組込み分析機能を搭載した InterSystems IRIS が、データレイクとシームレスに統合されます。これにより、履歴データと現在のトランザクションをまとめて、毎秒 50 メガバイトの速度と 100 ミリ秒を下回る応答時間で処理します。また、100 件を超える同時接続を有効にするとともに、ポートフォリオ分析、リスク、コンプライアンスといったユースケースに対応する事業分野全体で、銀行の分析ニーズを満たします。
問題: 制約のある分析、低速な応答
ペタバイトサイズの Hadoop データレイクの問題は、銀行の顧客管理アプリケーションに大きな影響を及ぼしました。すなわち、顧客の資産を照会したり、取引が規制要件を満たしていることを示したりするのに使用されるアプリケーションです。このアプリケーションは低速で、ミリ秒単位のスピードが求められる照会への応答に数秒かかりましたペタバイトサイズの Hadoop データレイクは履歴分析には適しているものの、たとえば、リアルタイムのデータストリームのサポートや 効率的なスケールアウトが利用できない、あるいは組織の分析ニーズ に対応していないなど、多くの制約がありました。処理できるのは単 純な照会だけであり、銀行は思い通りに分析報告を行うことができま せんでした。さらに、過去の頻繁に使用された照会結果を保存できな いため、効率が悪く、二度手間を強いられていました。 理想として、銀行には既存のデータレイクを補完できるアプリケー ションが必要でした。また、それと同時にリアルタイムのデータを収 容し、さらに複雑な照会を容易にして、大量のデータを低コストで処 理できることも必要でした。
解決策: InterSystems IRIS によるシームレスな統合
InterSystems IRIS は、既存のシステムおよびアプリケーションとの 統合が容易で、銀行の大規模なパフォーマンス要件を満たします。解 決策は、従来のアーキテクチャが対応できない複雑な照会を実行でき るよう、既存の構成に InterSystems IRIS を追加することでした。
新しいアーキテクチャにはデータアクセス層が含まれており、このデータアクセス層が、データレイクでフィードしながら、メッセージ バスを介して InterSystems IRIS のデータプラットフォームにリンクします。すると InterSystems IRIS は、数日分の照会履歴を保存して、アプリケーションプログラミングインターフェースをデータ分析の ためにフィードします。さらに、InterSystems IRIS はシェアードナッ シングとシェアードエブリシングのアーキテクチャを組み合わせて パフォーマンスを強化しました。 データプラットフォームにはクラウド対応アーキテクチャがあり、そのアーキテクチャを利用してコモディティハードウェア上で、スケー リングすることができれば、銀行は既存のハードウェアインフラストラクチャを活用できることになります。 「InterSystems IRISデータプラットフォームはすばらしい製品です。 メモリ内データベースのスケールとパフォーマンスが、非常に大規模 なマルチテラバイトのデータセット用にはるかに低いコストで得られます」と銀行の副頭取は語っています