新しい相互運用性の標準をゼロから作り上げるとしたら、どのようなものになるでしょうか?
FHIR® (Fast Healthcare Interoperability Resources) は、HL7® (Health Level Seven International) の最新の標準です。2010 年に、HL7 のタスク フォースに提出された質問がきっかけとなって、後に HL7 FHIR につながる概念が初めて議論されました。その質問とは、「新しい標準をゼロから作り上げるとしたら、それはどのようなものになるか?」というものです。
相互運用性の意味の変化
個人の健康とヘルスケアに関するデータ量は過去数十年間で飛躍的に増加し、その傾向は現在も続いています。それらのデータは診療所や病院だけのものではなく、ますます多くのソースからデータが収集されるようになっています。「相互運用性」とは、かつては 2 つ以上のシステムを接続することを意味しました。現在では、1 か所の 1 つのお客様からリアルタイムで複数のシステムのデータにアクセスできることを意味します。ソーシャル メディア、E コマース、金融サービスなどの、現在私達が利用している多くの Web アプリケーションは、そのような形で機能しています。同様に、FHIR は 1 つの画面で個人の健康やヘルスケアに関するすべてのデータを見られるようにするテクノロジーです。
FHIR は相互運用性を従来と異なる方法で実現
FHIR は、データ要素や概念の定義はヘルスケアのものですが、他の業種のモバイル アプリケーションや Web アプリケーションと同じテクノロジーに基づいています。過去の HL7 の標準は数か月のサイクルで文書として発行されていました。ソフトウェア アプリケーションを作成するには、実装する側がそれらの文書を解釈する必要がありました。FHIR はそれとは異なり、オープン ソースの開発プロセスに従い、Wiki やソーシャル メディア、誰もがアクセス可能なオンラインのドラフト標準を活用しています。また、開発においては FHIR コネクタソンという方式が採用されており、これは開発プロセスを進めるうえで欠かせないものとなっています。
FHIR の迅速な採用
2017 年の前半に FHIR の仕様の 3 回目のリリースが行われましたが、その時点ですでに FHIR の採用は大きく進んでいました。FHIR を実装している医療機関では、幅広い用途向けに FHIR のインターフェイスとアプリケーションを作成しています。たとえば、臨床医師はモバイル アプリを使用して院内システムのデータにアクセスしています。また、FHIR を利用して患者のコンテキスト情報を EHR から意思決定サポート サービスに渡したり、アイデンティティ マッチングや記録の検索を行ったりしています。
インターシステムズ製品とソリューションによる FHIR のサポート
InterSystems HealthShare の最新リリースには FHIR 準拠の機能が組み込まれています。
通常、HealthShare は複数の電子医療記録や他の種類のシステムのデータを集約します。旧式のインターフェイスのみを使用してデータを公開しているシステムのデータであっても集約可能です。
HealthShare を通じて個人や集団のすべてのデータが FHIR の表現に変換され、集約されます。FHIR に基づいて開発されたアプリケーションはそうしたデータにアクセスできます。この FHIR に準拠したデータ リポジトリを利用することにより、最新のテクノロジーに基づくアプリケーションは、患者のケア、価値に基づく医療、品質向上、研究などの用途でそれらのデータを活用できます。
FHIR とは
FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources) は、次世代の HL7 標準です。FHIR が最初にリリースされてから 3 年が経ちましたが、採用は大幅に進んでおり、現在ではさまざまな用途で実装されています。とは言え、この標準の策定に携わった人やこの標準をいち早く採用して使用している人以外は、FHIR について詳しい知識を持ってはいません。以下では、FHIR について、そして FHIR を活用して何が行われているかついて、詳しい情報を提供します。
この動画(英語)では、技術的なことにあまり深入りしていません。新しい標準を策定しようとしたきっかけから始まって、FHIR の基礎的な概念と基本コンポーネントについて説明しています。
臨床医にとっての大きな可能性
FHIR アプリケーションが容易かつ迅速に作成できることや、パブリック API (Application Programming Interface) でも FHIR を利用できることを考慮すると、FHIR は臨床ケアにおいて非常に大きな可能性を秘めています。この動画(英語)では、FHIR に関する基本的な事柄と、FHIR 標準が臨床ケアにもたらす大きな可能性について説明しています。
開発者にとっての大きな可能性
ヘルスケア アプリケーションで FHIR を採用する具体的なメリットについて開発者の声をお聞きください(英語)。
FHIR の活用事例
FHIR と、ハーバード大学が開発した SMART (Substitutable Medical Applications, Reusable Technology) と呼ばれるヘルスケア アプリのプラットフォームの組み合わせにより、臨床医療機関ではすでに、FHIR の採用とさまざま用途での実装の採用が大幅に進んでいます。この動画(英語)では、そのようなアプリのうち、代表的な 3 種類の用途で使用されている 3 つのものについて取り上げています。
SMART とその誕生
SMART (Substitutable Medical Applications, Reusable Technology) とは、オープン ソース標準に基づくヘルスケア アプリケーションのプラットフォーム アーキテクチャです。このプラットフォームは、ボストン小児病院とハーバード大学のバイオインフォマティクス部門によって 2011 年の初期に開発が開始されました。基本的なコンポーネントは、オープン API、1 つ以上の「データ コンテナ」(通常、そのうちの主要なものは EHR またはデータ ウェアハウス)、OpenID Connect によって実現されるシングル サインオン、OAuth によるセキュリティです。プロジェクトの一環として、臨床データの基本要素のためのオープン API が開発されました。
SMART はどのようにして SMART on FHIR に変化したか
2013 年に、SMART の代表者と HL7 FHIR コミュニティの代表者の会合が開かれ、SMART on FHIR が生まれました。SMART プラットフォームは、SMART の臨床データ用の API として FHIR を採用しました。そのとき、FHIR は臨床データ用の標準化されたオープン API として進化し続けていました。HL7 によって開始されたベンダー主導のプロジェクトである Argonaut Project が、医薬品、ラボ、問題、およびその他の基礎的な臨床データのための、指定されたボキャブラリを含むデータ モデルに基づくパブリックな FHIR プロファイルを開発したことによって、SMART on FHIR アプリの採用は加速しました。
SMART on FHIR の詳細な情報について
SMARThealthIT.orgのサイトには、SMART アプリのアプリ ギャラリーのページがあります。また、オープン ソース ライブラリやサンドボックスなどの開発者向けツール セットも提供されています。このギャラリーでは約 50 のアプリが紹介されており、オープン ソースで無料なものと、そうでないものがあります。既存の SMART on FHIR アプリの中には、モバイル デバイス用アプリと、EHR ワークフロー内で起動される Web アプリがあります。全体に共通する特徴として、これらのアプリはポータブルであり、わずかの変更で SMART on FHIR に対応したシステムに導入できるという点が挙げられます。
インターシステムズのテクノロジは SMART on FHIR をどのようにサポートしているか
InterSystems HealthShare の最新のリリースは、SMART on FHIR モバイル アプリ向けのプラットフォームとなる、初の SMART on FHIR 対応 HIE 環境です。また、HealthShare Clinical Viewer から SMART on FHIR アプリを起動することもできます。これにより、SMART on FHIR アプリは単一の EHR のコンテンツだけでなく、個人の複合的な記録のデータにアクセスすることが可能になります。
SMART on FHIR における他の新たな開発の取り組み
SMART on FHIR の取り組みは進化し続けています。たとえば、ゲノミクスや CDS (Clinical Decision Support: 臨床意思決定サポート) の分野の開発では、FHIR API を利用して EHR または HIE のデータにアクセスしています。このデータを使用して、ゲノミクス シーケンス ラボや臨床ナレッジ ベースからの結果に関して患者のコンテキスト情報が提供されています。
FHIR について、さらに学ぶ
ヘルスケアの相互運用性は、患者ケアの向上、および医療提供者におけるコストの削減と患者のより正確な状態の把握に役立ちます。FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources) は新しいヘルスケア データの標準であり、HL7v2、HL7v3、CDA などの以前の標準が抱えていたいくつかの問題を解決することを目指しています。
概要
この動画では、FHIR、FHIR リソース、FHIR リクエストを例を挙げて説明しています(英語)。
アーキテクチャ
この動画では、FHIR データの構造 (リソース、バンドル、拡張など) の概要を説明しています(英語)。
SMART on FHIR
SMART とは Substitutable Medical Apps & Reusable Technology の略語であり、再利用可能なプラグアンドプレイ アプリのためのプラットフォームです。SMART on FHIR は、インタラクティブなグロースチャートである Bilirubin Chart や Diagnostic Clinical Decision Support などの FHIR アプリのためのプラットフォームを提供します。これらのアプリは FHIR を使用して、特定のビルド済みアプリケーション機能を提供します。ちなみに、SMART on FHIR 以外の方法でも FHIR は利用されています。
FHIR のコミュニティ
FHIR グループ(英語)は、FHIR の開発者、および FHIR ソリューションの開発について理解を深めたいと思っている人々のためのグループです。このグループは、インターシステムズのテクノロジーを使用した FHIR の実装について議論したり、そうした実装に関する疑問の答えを見つけたりするための場所です。参加理由が何であろうと、このグループは「オープンなコラボレーションと連携」という同じ精神を共有しています。この精神こそが、FHIR の急速な進歩の原動力でした。深い知識を持ち、質問に進んで回答する FHIR コミュニティが存在します。FHIR の初心者による質問であっても、経験豊富な開発者の質問であっても、回答が寄せられます。
インターシステムズ・ラーニングサービス
詳しくは、学習サービスの内容をご確認ください。オンライン コース、ドキュメント、プレゼンテーションなど、FHIR の各種リソースのガイドが提供されています(英語)。
Health Connect における RESTful FHIR とメッセージング
FHIR を実際に使ってみる
HealthShare Health Connect における RESTful FHIR とメッセージングの演習から始めてください。
この演習では、Health Connect のメッセージングと FHIR のデータ モデルを使用して臨床データの変換や検索を行います。
最初のステップでは、Health Connect にあらかじめ用意されているコンポーネントを使用して、HL7 の統合 CDA ドキュメントを個別の FHIR リソースに変換します。次に、それらのリソースを FHIR サーバーに送信し、REST テスト ツールを使用して臨床データの個々の要素を検索します。オプションのボーナス演習では、HL7 v2 メッセージ データを FHIR リソースに変換することによって、古い HL7 v2 メッセージングに新たな命を吹き込みます。
この演習は、インターシステムズ グローバル サミット 2017 で参加者向けにライブ実演されたものです。
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