
顧客: Rhode Island Quality Institute(RIQI)
課題: 患者の慢性疼痛をよりよく管理するために、医療従事者に実用的な情報の単一ソースを提供する
成果: SMART on FHIR®アプリケーションで、ロードアイランドのHIEデータを利用して、医療従事者が望む高度な意思決定サポートを提供
患者のペインマネージメントの全体像を把握することは、医療従事者にとってフラストレーションとなる事があります。 過去や現在の薬、症状、訴えについて、複数の医療環境から記録を検索する必要があるためです。また、病歴の詳細を必ずしも覚えていない患者に遭遇します。 ロードアイランド州では、RIQI(Rhode Island Quality Institute)の州全体の医療情報交換であるCurrentCareのユーザーがこの問題を解決しています。
InterSystems HealthShare®を基盤としたCurrentCareは、46のデータを共有するパートナーとつながり、13種類の電子健康記録(EHR)システムから情報を引き出しています。 この情報はHealthShareによって集約・正規化され、CurrentCare Viewerで、臨床医に提示されます。 CurrentCareは、ロードアイランド州のどこで治療が行われても、患者ケアの完全で縦断的なビューを提供します。
ペインマネジメントの苦痛を取り除く
RIQIの戦略担当シニアディレクターであるスコット・ヤング氏は、「CurrentCareのユーザーの一人が、ペイン・マネージメントに関連する患者情報を検索する際に、『医療考古学』にうんざりしていると言っていました」と述べています。 情報を探し回ることが、患者さんを助けることに支障をきたしていました。 この問題に対処するため、RIQIはInterSystems HealthShareのSMART on FHIRのサポートを活用し、既製のペインマネージメント・サマリーソフトウェアを追加しました。 SMART on FHIRは、EHRやHIE(Health Information Exchange)、その他対応するプラットフォーム内でデータにアクセスし、そのまま実行できるソリューションを作成するための医療アアプリケーションプログラミングインターフェース(API)です。 HL7® FHIR相互運用性標準に基づくこの1度書けばどこからでも利用可能である機能は、EHRやHIEの機能を拡張するプラグインの市場を可能にしました。
RIQIが採用したSMART on FHIRのフリーアプリケーションは、米国医療研究品質庁(AHRQ)とMITRE Corporationが開発した「CDS Connect: Pain Management Summary」です。 CurrentCare Viewerに専用のタブがあり、CurrentCareの複数の場所から関連する薬、症状、検査結果を引き出します。 これは、慢性疼痛を管理する際に考慮すべき要素を標準的にまとめ、一箇所で提供しています。
「SMART on FHIRソリューションの最も重要な点は、ペインマネージメントのために、考古学のような手間のかかる作業を行うことだけではありません」とヤング氏は述べています。 「臨床判断支援のために、検証され、CDCが承認した、構造化され、実行可能な形でデータを提供します。」
Smart On FHIRの初期段階での実践例
CurrentCareの基盤であるHealthShareプラットフォームにはFHIRサーバーなどがあり、RIQIはSMART on FHIRアプリケーションを取り込むことができましたが、データを適切に処理するためには、まだいくつかの作業が必要でした。 RIQIのプリンシパル・ソリューション・アーキテクトであるスティーブ・ボレック氏は、「FHIRを実用化するこの初期段階では、リアルワールドデータを扱う上での課題を想定しておく必要があります」と述べています。 「HIEなどのソースごとにデータのセットは異なり、必ずしもそれほどクリーンなものではありません。 事前に調査しておくことが大切です。 どのようなデータソースを使い、どのような形になっているのかを知ることです」とボレック氏は説明します。 RIQIのITディレクターであるCharles Dansereau氏は、「インターシステムズとのパートナーシップは、リアルワールドデータで遭遇した問題を処理する際に、本当に役立ちました」と述べています。
より良いペインマネージメントのための縦断的データ
オピオイドの乱用やその他のペインマネージメントの問題に取り組む医療機関や組織にとって、CurrentCareのようなHIEから、各患者の治療や薬剤を完全に把握できる州全体の縦断的データを活用することは不可欠です。 「CDS Connect: Pain Management Summary SMART on FHIR」アプリは、CurrentCareがその機能を提供するための効果的なショートカットを提供しました。 RIQI 顧客体験担当マネージャーのAndrea Levesque氏は、「ユーザーが必要とするデータ、そしてその表示方法、ユーザーインターフェースは、AHRQによってすでに医療提供者と吟味されたものです」と述べています。 「これは私たちにとって大きなメリットでした。」
CurrentCareのユーザーは、より多くの情報に基づいたペインマネージメントの決定を行い、オピオイドの過剰処方を回避し、医療者と患者間の共有意思決定を改善することができるようになりました。 「このアプリを使えば、医師は、EHRを通過したデータを得るだけでなく、強化されたデータを得ることができます」とヤング氏は述べています。 「データの問い合わせや検索だけでは得られなかった実用的な情報を得ることができます。」
さらに詳しく
InterSystems.com/jp/FHIRで、InterSystems が FHIR やその他の幅広い相互運用性標準をどのようにサポートしているかをご確認ください。