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Paltac様工場外観
顧客
株式会社PALTAC
課題
デジタルトランスフォーメーション (DX)を実現可能な次世代システム基盤の選定
結果
トランスリティカルでインターオペラビリティに優れる InterSystems IRIS Data Platform をDXの主軸に選定、その第一弾として店舗支援業務サポートシステム「PIT」に適用

社内の DX を進める PALTAC が その主軸に据えたのは InterSystems IRIS

第一弾プロジェクトとして店舗支援業務サポートシステム「PIT」に適用

Paltac様事例IRISを主軸にDXを進める
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日本最大の化粧品・日用品、一般用医薬品の卸売企業 株式会社PALTAC。同社は中期経営計画「PALTAC VISION2021」において、「人手不足」をはじめとした流通における課題解決を推進している。同社では、人手不足はサプライチェーン全体の生産性向上を強く要求していると考え、店舗支援活動を専門に実行する部署を立ち上げ、「売れる仕組みづくり」を進めている。この業務をサポートする「PIT」に採用されたのが InterSystems IRIS Data Platform だ。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する同社は、今後も IRIS を基盤に DX を推進していく。

 

取引先サポートで「売れる仕組みづくり」めざし営業組織を

ドラッグストアをはじめとする小売業は人々の暮らしになくてはならない存在だ。株式会PALTAC は日本最大の化粧品・日用品、一般用医薬品の卸売企業として、店頭にあるべき商品を滞りなく届けるため、メーカーと小売業との間で、なくてはならない社会インフラの役割を果たしている。取引先は、メーカー1,000社(取り扱い品目 5万点)、小売業400社 納品店舗 5万店舗に上る。

同社は早くから情報システム開発に力を入れ、それも、物流分野など全システムの7割を占める競争領域に関しては自社開発にこだわってきた。その典型が、AI・ロボットなどを取り入れた大型物流センター RDC(Regional Distribution Center)を支える EDI 対応卸売総合システム「SAMS」だ。同社が自ら手を動かし続けるのは、専業システム会社と比較して事業や業務を最も理解している立場であること、時々刻々と動き続ける事業環境の変化にも迅速にキャッチアップできること、そうした行動が結果的にローコストにつながることが大きな理由だ。

同社は、中期経営計画「PALTAC VISION 2021」で、“『1兆円、その先へ 』 ~攻めの投資で流通改革に挑戦” において、「人手不足」という課題解決に取組んでいる。その一環として製・配・販のサプライチェーン全体での生産性向上を目指し、商品が生活者に渡る小売業の「売場」の重要性に焦点を当て、卸も一緒になって取組むことで売場の活性化を図っている。そのために営業組織を全面的に刷新、新たに店舗支援本部を創設した。これは、キャンペーンコーナー設置など店舗での販促活動に同社が積極的に関わるというもの。というのも、新製品や季節品、重点販売品を店頭でタイムリーかつ効果的にアピールしたいが、小売店舗では小売業の全国化・チェーン化に伴う組織の拡大化や恒常的な人手不足もあってなかなか機動的に動けない。そこをPALTACが、小売業との商談で決まった内容を売場で実現するものだ。
同社では“ 店頭実現力”と呼ばれている。これまでも、こうした活動は一部で行われてきたのだが、2019年10月の組織改編を機に、メーカー、小売業と連携し、中間に位置する卸である PALTAC が組織で臨み、サプライチェーン全体の生産性向上を加速させる取組みとなった。

 

現場活動はスマホで完結、店舗支援業務を包括サポートする「PIT」

この店舗支援業務をサポートするシステムが、PALTAC Innovation Technology System for Field Merchandising (以下、PIT)だ。図1にこのシステムがどのように業務をカバーするかを示した。

PALTAC の店舗支援業務サポート「PITシステム」
 

まず、メーカーとPALTAC との間で、どのような製品でどのような販促活動を展開するか協議・決定する。次に PALTAC はその内容を小売業に提案する。承諾が得られれば業務発生だ。PIT に具体的な業務内容が入力され、個別の店舗の作業を担う人員が割り付けられる。担当者にはその内容がスマートフォンアプリで通知される。担当者は必要な販促物などもアプリ上で確認して、訪問予定の店舗を巡回していく。店舗では、作業前後で写真を撮影するとともに、陳列棚の欠品など店舗をチェックして気づいたことや、現場視点でメーカーや小売業に対して新たに提案したい点(逆提案)などについても、音声やテキストでコメントする。

スマートフォンアプリから送られたそうした報告は本部の PC 上のシステムに随時アップロードされ、営業部門内で共有可能になる。管理者は全報告を精査、写真を作業完了の証しとしてメーカーへメール送信する一方で、コメントを逆提案の素材として蓄積していくというわけだ。

このシステムは2019年10月に開発がスタートし、翌年3月に第一次フェーズ開発を完了、4月に本番を迎えた。10月以降は、スマートフォンアプリ、PC システムとともに800名の営業部門全体にインストールされ、現在は店舗支援本部の240名が中心になって活用中だ。

 

DX の主軸に選定されたInterSystems IRIS
PIT 適用は全面シフトの第一弾

このシステムの基盤として採用されたのがインターシステムズのトランスリティカル データプラットフォーム InterSystems IRIS Data Platform(以下、IRIS)だった。Amazon Web Service(AWS)上のLinux 環境で実現されており、IIS ベースのWeb サーバを介して、PC システムやスマートフォンアプリとやりとりしている(図2)。

図2 PITシステム構成図
 

バックエンドではマスター情報の同期のために基幹系システム、分析のためのデータロード先として情報系システムとも連携している。

同社は長くインターシステムズのデータプラットフォームを活用してきた。それは開発言語の敷居が低く、非常にメンテナンス性も高くて変化に強い、またインターシステムズより手厚いテクニカルサポートを受けられるというのが主たる理由なのだが、情報システム本部ではこの先いっそうのデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を推進していきたいと考えていた。

システム構造を全般的にモジュール化することによって疎結合可能な状態にし、事業環境変化の際にもモジュールの組み変えでよりすばやくキャッチアップできる体制を確立しようとする中で、主軸の役割を果たせるのがこのデータ基盤と判断されたのだ。PIT への IRIS 適用は、まさに同社の IRIS シフトの第一弾プロジェクトだった。

quoteなぜ IRIS なのか。株式会社PALTAC 情報システム本部 技術開発部 部長 泉哲也氏は、次のように語る。
「IRIS は新しい機能が非常に豊富なデータベースです。たとえば、REST をビルトインサポートしており、PIT では PC やスマートフォンとの間の画面系処理は REST API で標準化しました。また、トランザクションとアナリティクスを1つのプラットフォームで同時に行えるトランスリティカルが特徴でリアルタイム分析が可能になります。

PIT でこれをやりたいと思えば実現できるという点もプラスに働きました。さらにいえば、当社にはインターシステムズのデータプラットフォームに関する膨大なノウハウの蓄積があり、IRIS ならそれをそのまま継承でき、私たちの取ってきた開発手法なら、極端な話、追加コーディングなしで移行可能というのも大きな魅力でした」

株式会社PALTAC 情報システム本部 技術開発部 課長 岩田辰徳氏は、泉氏を補足して次のように語る。
「IRIS の特長の一つにインターオペラビリティ(相互運用性)の提供があります。上記のような標準 API サポートだけでなく、よく使われるデータフォーマットやアダプタライブラリなどのサポートによってシステム間の接続が容易にでき、システムの可視化、標準化を進められます。

PIT も基幹系システム、情報系システムとのやりとりがあり、今後データ種の変化で追加開発することになったとしても、このインターオペラビリティ機能によって、システムの状況が誰の目からも把握でき、何かあればただちに対応可能になると期待しています」

 

店頭の実現化が加速、取引先への情報提供も迅速に
将来的には“ ウーバー化” 構想も

PIT によって、同社の構想したサプライチェーン全体での生産性向上を目的とした「売れる仕組みづくり」は見事に実現された。株式会社PALTAC 情報システム本部 財務情報システム部 次長 小林浩二氏は、システム導入から5か月間の変化を次のように語る。

「営業組織改編前は支社ごとの管理で業務の標準化に至っておりませんでしたが、PIT によってこの活動の業務フローが確立・統一でき、営業部門全体で店舗支援活動をリアルタイムに共有可能になりました。報告データは日々蓄積されているため、店舗支援活動のカバー率、キャンペーンの有無による売り上げ比較など各種分析も行える状況になっています。逆提案内容も含めて、取引先への情報提供スピードは今後どんどん加速していくことになるでしょう」

現在、PIT は2021年3月本番稼働を目標に第二次フェーズ開発が進行している。ここでの目玉は、AI を活用した作業店舗への人員自動割り付けとメーカーや小売業へのポータル提供だ。将来的には、ウーバー・テクノロジーズのように第三の契約作業者と小売店舗をマッチングさせながら店舗支援活動を遂行するというプランも浮上している。何せ対象となる店舗は5万店舗もあり、店舗支援本部だけではとてもカバーできないからだ。

「契約作業者のスマートフォンにPIT をインストールしてもらい、担当の小売店舗が近づいたらアプリで知らせて作業を実施してもらう、といったことが実現できたらおもしろいなと思っています」泉氏は構想を語る。

その一方で、情報システム本部では今後2年をめどとして、IRIS をベースとしたシステム基盤刷新を本格化させていく。常に先進的な取り組みで業界最先端を行くPALTAC が、情報システム DX 実現のよりどころに選んだのは、インターシステムズのトランスリティカル データプラットフォーム InterSystems IRIS Data Platform だった。

 


お客様ご紹介
株式会社PALTAC
本社所在地:大阪市中央区
設立:1928年12月
概要:
創業以来120年以上の歴史をもつ、化粧品・日用品、一般用医薬品卸業界のトップ企業。
独自の「マーチャンダイジング」と「ロジスティクス」に基づく質の高いサービスは、小売業、メーカーの双方から高い評価を得ており、信頼できるビジネスパートナーとして確実な地歩を固めてきた。中間流通業としてサプライチェーン全体を見据え、新しい流通価値を提供する、新時代の流通創造をめざしている。