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患者管理システムの稼働に際し、慌てず落ち着いているための5つの方法

スコットランド NHS Fife の最近のシステム稼働開始に際し、私は、スコットランドで古くから言われている “keep the heid” (慌てず落ち着け)という言葉を思い起こしました。これは、火事が起こった際の行動を言ったものですが、ストレス時に頭を冷やしておくという事です。

最近、当組織では、患者管理システム(電子医療記録と言われることもありますが)と呼ばれるシステムのリプレースを行いました。複雑かつ大規模な導入を通して、穏やかに導入作業を維持するための要素は、計画をたて、優先順位をつけ、そしてチームワークを確立することでした。実際、このプロジェクトには、1年以上の大変な準備が必要でした。

困難は、既存システムからの70万件以上の記録の移行に関するもので、管理を変更して、急性期、精神医療、コミュニティケアなど10の施設を横断した新しいプロセスと手順の導入、そして、3,000名以上のスタッフのトレーニングの開発と実施にありました。

このプロジェクトは、国が推進するスコットランド全土の広範なイニシアティブの一部で、12のスコットランドの医療圏で、全国の92%の患者を網羅するもので、これらが同じ患者管理システムを使用します。

稼働は大きな成功でしたが、生みの苦しみが無かった訳ではありません。上手く導入をした事は、その工程で問題が起こらなかったということではありません。私たちにも、いろいろありました。

ここで、“keep the heid” (慌てず落ち着いて)の導入実現に確実に役立ち、学んだことをいくつか上げたいと思います。

1. より早い段階から関係者が関わることが、よりよい

内部の関係者が、変化に準備できるよう、早い段階から関わることが重要です。このような配備は、ただ大規模なITイニシアティブということではなく、実質的にすべての人員に影響があるマネジメントの変革です。

事実、もう一度、同じことを行う必要があれば、より踏み込んだ関わりを作ると思います。

特に、全ての関係者が参加する没入型ワークショップを、プロジェクト全期間を通して、定期的に行いたいと思います。すべての関係者が参加する前に、主要な長期的な開発意思決定をしていました。早期の段階で関係者の代表によるコアチームのトレーニングをしていれば、こうしたことがなかったかもしれません。

稼働する5ヵ月前に、机上でのエクササイズを通して没入型ワークショップを開催した時が、このプロジェクトの重要なターニングポイントでした。これが、関係するすべてのグループが同じ部屋に一同に介した、初めての時でした。その広範なグループとともに、病院でのシナリオをシミュレーションすることは、非常に有益でした。これによって、点を繋げることができたのです。

2.本番環境でリハーサルを行う

リハーサルなしには、問題のない稼働開始はできなかったことでしょう。これによって、制御されたテスト環境でのトラブルシューティングができ、稼働日の前に、全ての問題解決が可能になりました。

3. 意思決定の権限委任と明確なリーダーシップ体制を構築する

私たちには2つの主導グループがありました。1つは技術でもう1つはビジネスです。分散されたリーダーシップ体制をもち、それぞれからの代表が先導して、彼らがプロジェクトとサービスのニーズの両方を加速させました。彼らには、素早く優れた決定をする権限がありました。NHS とインターシステムズの技術チームは、1つの団結したチームとして深く関わり機能しました。

4. 範囲は範囲であり、変更しない

プロジェクトの範囲については、これ以上できないほどに練り上げておくべきです。何が含まれ、何が含まれないかということです。必要なサービスニーズを管理しなければなりません。これが稼働という地点に向け、私たちを前進させ続けるものです。コントロールされ、システム的であることは、このプロジェクトの作業範囲を実現する唯一の方法です。これは、こうした厳しいスタンスが、活発な議論を生み出さないと言っている訳ではありません。

5. 優先順位の理解

数千人にも及ぶ多くの関係者と、それと同じ位相反する優先順位があり、何を一番重視するか、やるべき重要事項は何か、そして何を後回しにできるのか、について明確にすることは、日々のタスクとなります。

成功裏に稼働ができると分かると、人々の喜びは明らかでした。皆さん笑顔でした。このような長期に渡って非常に多くの人による大変注意深い計画があったからこそ、素晴らしい成功が得られたのです。

新しい患者管理システムへの移行は、すべての組織にとって大きな変化で、いまだに、学びの途中です。しかし、概して、私たちは喜びとともにやり遂げました。より重要なことは、私たちは、慌てず落ち着いていた、ということです。

著者について:Marianne Campbell

NHS Fifeにおける eHealth 担当シニアプログラムマネージャー。医療ITでの20年以上のキャリアを通し、複雑で高機能な臨床ITプログラムやプロジェクトを管理してきた。現在NHS Fileで、急性期、コミュニティ、精神科の全病院における TrakCare PMS システムの導入(Phase 1)の責任者を務めた。現在Phase2(オーダー通信、リクエスト&リザルト)を取り仕切っている。Fife 以前には、United Arab Emirates において数年勤務し、また、Cleveland Clinic Abu Dhabi の新規の完全デジタル急性期病院でのIT臨床アプリケーションプログラムの導入に携わった。キャリアの始めには、NHSトラストの患者フローソリューションを提供する英国 Healthcare IT アプリケーションビジネスを起業し、それを拡大した後、売却した。

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