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2018年を振り返って

2018年も終わろうとしており、今年、医療業界で起きた主な展開について振り返るよい時期かと思います。2018年は、業界での主要なトレンドが継続していたと思います— それは「統合」「ビッグITブランドの激しい競争」、そして「クラウドへの移行」です。この投稿では、これらのトレンドと今年目立ったその他の展開について記述したいと思います。

2018年:Amazon の医療への参入の認知度が高まる

2018年は、Amazon が医療分野での独自の存在感を示すようになったことを無視できません。Amazon は、ここ数年医療クラウドでの主要なプレイヤーの1つでしたが、企業の野望として、3つの大きな事業拡大がありました。1月初旬、Amazon は、Berkshire Hathaway および JPMorgan Chase との提携を発表し、コスト削減と従業員の満足度改善を行いました。Atul Gawande が率いたこの非営利ジョイントベンチャー組織は、さらなる詳細を明らかにしていませんが、投資会社とスターCEO は、市場をこれからも騒がせることでしょう。

Amazon が今年医療分野で行った展開は、このジョイントベンチャー企業だけではありません。Amazon はまた、クラウド機能を拡張して、クラウドでのケア改善のために EMR データマイニングソフトウェア、および HIPPA 遵守のクラウド開発の中で鍵となるAIコンポーネントが利用可能であると発表しました。Amazon コンシューマビジネスの側面では、この技術巨人が、製薬のスタートアップ企業である PillPack を2018年6月に買収しました。この企業は、処方された医薬品を事前に梱包した形で患者に提供します。こうした展開は、Amazon が、崩壊しつつある医療に真剣に取り組む姿勢を示すもので、2019年も注目すべきです。

APIが医療でその役割を果たすようになる

API は、ほとんどの業界で普及していますが、医療では真の API 適用は遅れていました。2018年には、API を支援した主な展開がいくつかありました。特に EHR と接続する適用は増加しました。

2018年1月のアップデートで、Apple のネイティブアプリケーションは、SMART on FHIR の API を通して、EHR と接続できるようになりました。患者が患者ポータルにログインできれば、EHR は適したFHIRプロトコルを展開し、患者は記録をダウンロードしてスマートフォンの他のアプリと共有することが可能になっています。

コンシューマでの API 使用の他の話題としては、多くの主要なクラウドプロバイダが、FHIR サービスを開始したことが挙げられます。2018年に GoogleMicrosoft が、Amazon に追従して、彼らのクラウドサービスでサーバーツールキットを利用できるようになりました。

2018年は、医療クラウド戦争が始まったという事ができるでしょう。

標準とAPI拡張によって、医療でのクラウド利用が進みました。先に述べた FHIR の発表の他に、多くの主要な情報および医療機器ベンダーは、クラウドプラットフォームで利用できるシステムを発表しました。

クラウド戦略は、今では、業界では必須になっているようです。クラウド展開によって、病院にあるハードウェアコストの削減が可能になり、これにより、地上の不動産に使っていた費用を他に向けることができます。

業界での合併の様相には終わりが見えない

2018年は、メガ合併という長期に渡るトレンドが業界では継続していました。誰もが思い浮かべるのは、CS とAetna の690億ドル規模のメガ合併でしょう。巨大な製薬会社が大きな保険会社を買収するのです。Cigna はまた、670億ドルで ExpessScripts の買収を発表し、2019年初めに完了すると言います。また、3月に Optum は、DaVita を49億ドルで買収しました。

病院でも合併のニュースがありました。Lifepoint Health と RCCH HealthCare は6月に合併し、Memorial Herman Health は、Baylor Scott and White を合併すると発表したなど、挙げればまだまだあります。

2019年は、さらに同じ傾向が続く。そしてまだ答えのない2つの疑問。

多くの分野で、2018年は、これまで何年も継続していたトレンドの継続とそれらの増大がありました。2019年は、医療業界は、より多くの統合、クラウド移行、FHIR その他の API 適用などが進むと思われます。2019年を展望すると、2018年からの2つの疑問が上がり、これが2019年とそれ以降にいくつかの最大の話題を導くように思います。

私の1つ目の疑問は、AIは、2019年にも大きな焦点となり続けるのか、という事です。11月のForbes誌にあったように、AIは医療の進展に大きく貢献する事を示していますが、その進展は、非常に遅いものです。市場で商用製品化されたプロジェクトは殆どなく、ワトソンオンコロジーのように、それらは、ROIと患者安全において、多くの論争を招いています。相互運用性、統合などその他の医療におけるイノベーションのように、AIが同様の多くのチャレンジに直面していることは明らかです。InterSystems IRIS for Health のような製品による組織変革が、こうしたチャレンジの促進と改善を支援することができるかもしれません。

2つ目の疑問は、SMART on FHIR のような API が、既存の EHR を拡張するのか、という事です。SMART on FHIR API が出て、心躍る新しいアプリケーションを開発して組織の EHR 機能を拡張することが可能になるかもしれないということが分かってきました。特定の使用のための API によるアプリケーションによって、安定的に統合された EMR システムの潜在的な価値は、世界的に医療提供者にとって変革的なケアの変貌を引き起こす可能性をもたらします。さらに、EHR が拡張されれば、情報交換によるよりよい交換、AIアルゴリズムへのよりよいデータ投入、より優れた集団健康管理努力への支援ができるようになる可能性があります。

皆様は、2019年の医療トレンドは、どのようなものにかるとお考えでしょう。皆様のお考えをコメント欄や Twitter (@moawedneal and @InterSystems)で、是非お知らせください。

 
ニール・モアウェド
インターシステムズにおけるヘルスケアマーケットインテリジェントリード。医療および生命科学分野で10年以上の経験をもつ。ボストン大学クウェストロム・ビジネススクールで、ヘルスセクタマネージメントで MBA 取得。医療トレンドや医療政策の議論を好み、包括的な医療への普遍的なアクセス実現に情熱を注いでいる。Twitter アカウント @MoawedNeal

 

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