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InterSystems Healthcare Leadership Conference に参加して

長崎大学 医歯薬学総合研究科 医療情報学 教授
長崎大学病院 医療情報部長  本多 正幸
今回の「グローバルサミット2017」は、パームスプリングス空港から車で30分程度の JWマリオット という巨大なホテルで、9月10日(日)の夕方からのウエルカムレセップションで幕を開け、HLCは月曜日と火曜日の半日というスケジュールで開催された。
日中は、外は40度という砂漠の真ん中で、世界各国から関係者が参加して議論が展開された。

今回の HLC は、過去最大の参加人数で、70名を超える登録があった。
HLC に先立ち、全体でグローバルサミット キーノートと呼ばれる講演があった。『IRIS』と呼ばれる新しい製品で、データベースと呼ばず、データプラットフォームと呼び、キャッシェ、アンサンブルとは独立した、Big DataやIoT(Internet of Things) といった新しい時代のニーズを強力にサポートする新テクノロジーということであった。1年後には医療分野向けに、InterSystems IRIS Data Platform Healthcare Edition として展開する予定で、5年10年、あるいはそれ以上先の将来に渡る新戦略であるとのことであった。

HLC には日本からは、土屋小児病院 院長の土屋先生と私が参加した。(図1)
2日間で、セッションは8セッション(1日目)、4セッション(2日目)があり、パネルディスカッション形式のセッションが3セッション(1日目)、2セッション(2日目)あり、これらのセッションではモデレーターを含め4人がプレゼンした。スライドを使わずに口頭でのディスカッションで彼らの早い英語には、時差ぼけの頭では辛い部分もあった。

多くのセッションで、中心のテーマは「Population Health Management」で地域における医療環境、組織における医療環境を全体としてどのような戦略、どのようなポリシーで整備していくのか、また、これらの医療環境をどのように国全体(州全体)に広げるにはといった話題が議論されていた。このようなテーマについて、各企業による取り組みや各国における地域での取り組みなどが報告され、議論が深まっていた。それらの議論で、医療保険会社と医療提供者(病院等)との協力関係が重要であるとか、HIE(Health Information Exchange)、FHIR、Patient Engagement などのキーワードが頻繁に登場していた。

今回の HLC において、形式として面白かったのは、1日目の Round Table Discussion で、幾つかのテーマ(Analytics, Patient Engagement、Global Population Health、Technology Strategy for Value-Based Care、 Data-Driven Innovation and the Learning Health System)に分かれて、フリーディスカッションを行った。
土屋先生と私は、Global Population Health のグループに割り当てられていた。そこではアメリカ、イギリス、オーストラリア、日本における状況が紹介、議論された。私は、国立大学病院で実践中の災害復旧のためのデータバックアップ(SS-MIX2)の話と、長崎地域で展開中のHIEの実例である「あじさいネット」を紹介した。2日目の最後のセッションで、この Round Table Discussion のモデレーターから各セッションのまとめの報告があった。まとめでは、セッションごとに、「Success factors」「Challenges」「Key Takeaways」といった観点で議論が整理され簡潔にまとめられていた。

各国、US を含め Population としての医療システムのマネージメントを展開しながら、患者個人を中心とした医療提供を目指していくといった観点で各国共通の問題が存在しているといった感想を持った。このHLCには、カントリーマネージャとして、植松社長に陪席していただき、幾つかのタイミングで適切なサポートをいただいた。ありがとうございました。また助かりました。
来年は、「IRIS」に関するより詳細な情報が披露されると思われるので、時期等の問題がなければ参加を検討してみたい。

図1(会場内に掲示された2枚の参加者リストボード、自分の名前を指さす本多(左)と土屋先生(右))

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